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【リハビリの成果】膝痛にゆる体操は効果的と言う話

皆さんこんにちは。少し前の事ですが、今日はリハビリで膝痛が改善したというお話をさせていただきたいと思います。

このブログはこんな人のために書きました

  • 膝の痛みがある方
  • スポーツなどで膝を痛めたことがある方
  • 階段の昇降など日常生活で膝に不安を感じている方
  • 脚まわりの老化が気になる方

膝の痛みは周囲の筋肉のこわばりが原因の事が多い

その方は両膝に痛みがあると言う事で私の勤めている整形外科を受診されました。仮に名前をEさんとしましょう。
レントゲンなどの検査の結果、ドクターの診断は経年変化による多少の変形(変形性膝関節症)はあるもののそれもそれほどひどくは無く、痛みの原因は膝の使い方が悪い事により膝回りの筋肉がこわばって出るタイプであろうといいう事でした。
こうなるとゆる体操の出番です。
ドクターより膝まわりのリハビリの指示が出てEさんは主に私が担当にする事になりました。

さてEさんを見てみると一目見て前ももがガチッと固まっているタイプです。
これでは普通に考えても膝や腰は痛めやすいですね。
少し難しくなりますが、前ももの張りと腰の反りは大抵同時に起こりますので、Eさんは腰もあまり良く無く、リハビリは腰の指示も一緒に出ていました。
とりあえず1回目は寝ゆる黄金の3点セットをやっていただいて、寝た姿勢でケアする事を覚えていただきました。

寝ゆる黄金の三点セット【永久保存版】

でもEさんは膝が悪いので膝を組まないといけない「すねプラプラ体操」は難しそうでした。
これは本当にリハビリ現場ではよくある事で、膝、股関節が悪いとすねプラプラ体操をするのが難しい方は多くおられます
「とりあえず膝コゾコゾと腰モゾモゾを良くやってくださいね。膝にもいいですから。ただしどこかに痛みが出たら様子を見て下さい」
と言う感じで次回の予約を取っていただきました。
2回目になり、体調を聞いたところ
「まだなんとも言えません」
と言う正直な感想が返ってきました。
とりあえず前回の復習で体操をしてもらったところ動きが全般に固くなっています。
少し動きの質を修正して、今度は座ってもらって椅子ゆるを指導することにしました。

膝痛改善には股関節まわりをゆるめる

ここから先は少し難しいのでご興味のある方だけ読んでいただいてもいいかもしれません。
膝は特に曲げ伸ばしした時に痛みがでる事が多いので日常生活の動作では立ち座りや階段で痛みが出やすいのですが、特に椅子から立ち上がる時に痛みやこわばりでよろけると転倒の可能性があるので座って出来るケアが必要です
そこで私が定番でやっていただくのは太腿ユッタリ開閉体操です。
この体操は本当にコストパフォーマンスが良い体操で太腿(関節としては股関節)を動かす体操なのですが、膝のこわばりに対する体操としても効果があるのです。
膝の痛みですが、股関節がこわばって本来はあるべきでない脚全体を捻ったり捩じったりする動きが膝に加わると膝関節が痛んできます。なぜかと言うと、膝は前後にしか動かないのでひねる動きが入ると筋肉やひどい時は半月板や靭帯を傷つけてしまうのです。
例えば体を方向転換する時などは典型的です。股関節が固まると脚をひねる動きがスムースにできなくなるので膝にねじる力がかかってしまうのです。

膝に痛みがある女性


また太腿の外側の筋肉がこわばって固まったままになると膝を本来の真っすぐな方向に使えなくなるので同じように膝関節がすり減ってきます。
もう少し詳しく説明すると太腿の外側の筋肉が疲労や老化で固まるとどうしてもがに股になってしまいます。女性の場合は特にですが、がに股はみっともないので脚をなんとか閉じようとした結果太腿の外側と内側両方に力が入った状態になるのです。
この状態では間にある膝は両方から締め付けられる状態になるので常に負担を強いられ、より疲労がたまり、さらには半月板や靭帯が傷んでいく理由になります。
この二つの状態を改善するには股関節まわりをゆるめて滑らかに動くようにする事です。そうすると相対的に膝の負担が減るので今回の痛みの原因になっている筋肉の余分な負担も減るというわけです。
これを最も安全かつ楽に行える体操は太腿ユッタリ開閉体操だとおもいます。
もう一つ覚えいただいたのは太腿の前側と横側を良くさすってもらう事です。
これが膝に良い理由は、先ほど述べたように太腿の外側がこわばってしまうと膝を正しい向きに使えなくなってしまうので、さすって少しでもほぐれゆるんでくると膝の向きが自然に良い方向になってくるという事です。

踵クルクル体操も良いのですが、膝が傷んでいる人はできない方もいます。やってみて痛みがなければ一緒に覚えてもらっていますが踵クルクル体操は立位で出来る利点もあるので、私は痛みが取れてから再発予防の観点で取り組んでいただくことが多いです。

リハビリの現場に戻りましょう
という訳で太腿ユッタリ開閉体操は膝痛に良い体操なのですが、特にご高齢で体全体が固まる傾向にある方はこの体操もぎこちなくなってしまって上手くできません。
Eさんは痛みさえなければ普通に歩ける方なのですが、太腿を開いて閉じるというだけの体操がスムースにできないとなると、実は歩くという運動もうまく出来なくなっているという事なんですね。

調整で太腿の外側をゆるめる

そこで私は達人調整をして太腿の外側をゆるめる事にしました
ここの部分の調整はいくつか方法があるのですが、一番相手に負担の少ない寝てもらう姿勢の方法にしました。
ですが寝た姿勢でも実際に太腿の外側を触ってみると予想通りガチガチに固まっています。
Dさんは固い人の中でもかなりなもので、木の棒が足の外側に入っているような感じです。
「結局寝ていても力が抜けないんですよね、ここは」
と私は言いました。
「そうなんですか?さわられるとガチガチなのはわかる気がしますが・・。っていうかここはこういうものではないんですか?」
大人は僕も含めてみんな固いですけど、赤ちゃんは柔らかいでしょ?だから柔らかくてもいいし、当然その方がいいんですよ。」
「なるほど・・・。でもどうやって力を抜いたらいいのかわかりません」
「そうですよね、まあ、とりあえずダラーーッとしてください。緊張しているのもあるでしょうしね。」
といっても中々力が抜けてきません。私は施術しながら何回も「ダラーっ」とつぶやきましたが中々頑固(笑)です。ご本人は抜こうとしているのですけどね。
こういう時はゆる体操の定番、声に出すのが効果的です。
とりあえずダラーーッて声に出して言ってみましょうか?
「え?ダラーっていうんですか?」
「はいはい、言いますよ。僕が言うから一緒に言いましょう。ではご一緒に~」
「ダラーーーーー」
リアルに想像するとバカみたいな光景ですよね。ですがこれが素晴らしく効果的なのです(笑)

そうすると期待通りEさんの太ももの外側の力がスーッと抜けてきました
「おっ!抜けてきましたね。」
「あれ?本当だ。ウソみたい。」
「でしょー?だから言ったでしょ?寝てても力が入っていますよって。」
「あー・・・。本当だ、なんか言われたことがわかりました。」

実際は力が抜けたと言っても表面の部分がほんの少し抜けただけです。太腿の外側は根深いコリがあるので簡単にはいきません。でも少しでも抜ける事が大事なのです。そこを取り掛かりにして、いかに普段から無駄な力を使っていたかがわかるようになります
また、このように一時的にでもゆるんだ状態を体験してもらえば目標が明確になり、それがモチベーションになりますし体操で効果を持続して次に来た時に調整でさらにゆるんでもらって・・・、とバリエーションが増えます。

そして私はリハビリに継続してきていただくようにお願いしました。

クリニックのイメージ

そしてEさんはまたリハビリに来られました。
「調子はどうですか?特にお膝の方はどうですか?」
「色々体操を習いましたがさするのとユッタリは何とかやれていたと思います。」
「おおー、それはいいですね。で?今の調子はどうですか?」
「やったあとは少しいい感じがするのですが、すぐに元に戻ってしまいます。」
「なるほど。でも少しだって効果が出ているなら何とかなりますよ。だんだん体操が上手くなると効果も蓄積してきますから。」
そうしてその日は体操のチェックと調整をしたのですが、また太腿~膝まわりがガチガチになっています。
Eさんの膝は中々頑固でした。
でも調整をするとやはり反応してある程度ゆるんできます。
こういう場合はこちらも根気が必要ですね。

根気よく取り組む

それからしばらくリハビリのたびに体操のチェックと調整を繰り返してやっていましたが、続けているうちにEさんも少しずつさする事そのものが上手くなり、腿ユッタリもだんだん柔らかく出来るようになってきたのです。

2~3か月もたったでしょうか。Eさんは言われました。
「おかげさまで、最近少しずつ効果が出来たような感じがするんです。やはり体操続けていると全然違う感じです。」
嬉しいですね!
「それと週一回の調整も受けていて全然違います。」
「そうですね。もう日常生活は不自由しないと思うんですけど、調整で体調維持が出来ている面もあるでしょうからこれからは無理をしない範囲でリハビリに来られたらいいと思いますよ。」
「わかりました。また時々来させてもらいます。」

Eさんのリハビリはその後のコロナ禍でいったん途絶えてしまいました。
非常事態宣言が明けてから何回かお会いする事が出来ましたが、一時的に痛みが出る事はあってもなんとか自分でケア出来ているようでした。

この調子で頑張って・・・、いや、ゆるんでいただけたらと思います。

ゆる体操をはじめとするゆるプラクティスは医療行為ではありません。よって膝の症状に対する効果は個人差があり、この文章はあくまで私の個人的経験に基づくものです。また、この文章には医学に関連した話題も出て来ますが、そのすべてに統計的裏付けが保証されている訳でもありません。その点をご了承して頂いた上でお読みください。

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