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腰痛改善にはゆる体操が効果的という話
皆さんこんにちは。私は整形外科でリハビリをしています。最近こんな事がありました。それをご紹介させていただきます。この記事はこういう悩みを持っている人のために書きました。
- つらい腰痛で苦しんでいる・・・
- 腰痛に限らず関節や筋肉の凝り、痛みに悩まされている・・・
重労働とコロナ禍で腰痛が再燃
その方は介護職の女性です。仮にBさんとしましょう。
介護職は激務です。そして腰を特に痛めやすい職業です。以前もBさんはリハビリに来られていたのですが、コロナ禍の影響でリハビリがしばらく休止していた間に腰痛がぶり返してしまったようでした。
ゆる体操はなんとか続けられていたようですが、リハビリから遠ざかるとどうしても自宅で体操をする頻度は減ってしまいます。
また、体操を定期的にチェックしないとどうしても自分の癖が強く出てゆるむ効果が少なくなってしまいます。
Bさんも多忙という事もあり、やはり体操の頻度が減ってしまっていたようでした。
今回わたしはリハビリを担当する事になりましたが、すでに知っているゆる体操の復習をするよりも達人調整をする事にしました。
とりあえず疲れてこわばっている体をゆるめないと、体操をする気力も出てこないと思ったからです。
実際に体に触れてみると腰背部と臀部がパンパンに張っています。
凝っているところ、張っているところがあれば、ついなんとかしてあげたいと思うのが人情です。
しかし達人調整の基本は自分がゆるむ事で相手もゆるむという事なので、無理にほぐしてやろうとか考えてはいけません。ですからひたすら自分がゆるむようにするのがベストなのです。
その日はある程度改善はしましたが、やはり体操の頻度を増やさないと週一回のペースで達人調整をするだけではBさんの仕事柄厳しいものがあるのも事実です。
わたしは
「少しでも時間があれば、すきま時間に仕事中でも壁を使って腰モゾをするのがおすすめですよ。忙しければさするだけでもいいので、出来るだけ仕事中も自分の体に意識を向けて下さい。また、家に帰ったら寝ゆる黄金の3点セットを少しでもやるようにしてください」
とお願いしました。
そして次の週にBさんが来られました。
やはりといいますか、残念ながら先週の調整の効果がなくなってしまっています。
やはりお仕事が忙しくて体操をする余裕がないのでしょうか、現実的に達人調整を一回しただけでは厳しい場合もあるのです。
それでも同じように調整を施したあと、
「今日もある程度ゆるめてみましたが、やはり限界もあるので体操も合間を見てやりましょうね。」
とわたしはもう一度お願いしたのですが、内心
「さて、お忙しい方だし現実的に体操するのは難しいかも…」
とも思いました。
で当然ですが、なんとかやってくれたらいいなぁ…とも思いました。
ただし、達人調整で状況は改善している感じはするので、少しでも楽になって体操をする余裕が出来ればいいなとは思っていました。
嬉しい変化が…
そして次の週になり、Bさんが来られました。
正直わたしは前回どういう事を話したのか忘れてしまっていたので、パソコンのカルテを見ようとPCの操作をしながら、
「調子はいかがですか?」
と聞いたのですが
「はい!先生がもうちょっと体操して下さいって言ったので、今週は頑張りました !」
と言われました。
正直意表を突かれました(笑)が、これは嬉しいですね!
それで
「調子はどうですか?」
と聞いたら
「はい!やっぱりいつもより大分楽です!」
とさらに嬉しい事を言っていただけました。
このように自分で積極的に体を良くしようとリハビリに通ってくる方は前向きでとてもいいと思います。
残念ながらすべての人は年を重ねるにつれて体は衰えていきます。
極端な言い方をすれば生まれた直後から死に向かって少しずつ進んでいっているのです。
何が進んでそうなっているのかというと、体の「拘縮」です。
生まれた時が一番柔らかくフニャフニャでそこから少しずつ固まって行くのです。
ゆる体操ではこの方向性を大きくまとめて「老化」と言います。
そういう風に考えると赤ちゃんも少しずつ「老化」しているという事が出来るかもしれません。
え?赤ちゃんが「老化」?と思った方のために、ゆる体操での「老化」対策について考えてみましょう。
皆さんが年を取ったと感じたのはいつが最初ですか?
私は21歳の時と記憶していますが、友達と居酒屋に飲みに行って座ったときです。
座る時、無意識に
「よいしょ~」
と言ったのですね(笑)
その時、あれ?座るだけなのになんで掛け声がいるのかな?
と思ったのが最初です。それまではそんな掛け声を言った記憶がなかったので
「もしかして年を取ったのかな?」
と思ったのです。
とはいっても一般に「年を取った」と思うのは実際体に不便を感じてからですよね。
そして一般的な意味で使う「老化」は不可逆的ですので、老化を感じる年齢がいつであっても、そこから若返るという事はありません。
ほおっておけばどんどん体は動かなくなるのです。
そしてそれは例えば腰痛であるとか、体のどこかに痛みとして現れてきます。
それに対して「老化」を「体の拘縮」と捉えなおすと、「体の拘縮」はゆる体操で改善します。
ゆる体操で積極的に「老化=体の拘縮」と向き合い、少しでも遅らせたり、あわよくば数年前の状態に戻ったりすれば、自分に自信が出来ます。
ちなみに数年前の状態に戻るとは、
「数年前は信号が点滅しだすと走れたのに、今は腰も痛いしその気力すらわかない」
とか
「数年前は2階ぐらいだったら階段で上がるのも何ともなかったのに今はついエレベーターを使ってしまう」
といった状態から再び以前の元気な状態に戻る事です。
ゆる体操は確実にそういう事が可能になる体操なのです。
話を戻しましょう。
すきまゆるで着実に症状が緩和
Bさんは体操を頑張った(「頑張る」というのはいかにもゆる体操となじまない言葉ですが・・・)おかげで腰痛が少しずつ改善してきたようでした。
しかし実際に調整で体に触れてみるとまだまだいびつに固いところがあります。私はあまり不安にさせないように注意しながら
「ゆる体操の効果ですね。大分体の状態は改善してきたと思います。けど触ってみると正直まだちょっとぶり返さないかどうか怖いです」
と、状態を説明して、さらに体操を継続してもらうように言いました。
そして次回のリハビリの予約を取ろうとしたのですが、Bさんが来院可能な時間で私のリハビリの時間が空いていませんでした。
私はカルテでちゃんと引き継ぎしておくので担当を変えてリハビリは続けましょうという事にしました。
その後一回はリハビリを受けたはずですが、別のスタッフに引き継いだので私はどうなっているかが気になっていました。
そしてつい先日。Bさんと院内でお会いしたので声をかけました。
「おーっBさん、こんにちは。どうですか?調子は」
「はい、大分いいです!」
「体操、やっていますね」
「はい!さすったり、モゾモゾとか!」
「いいですね~。今日は診察?」
「はい!」
なんてやり取りをしながら、Bさんの顔をみるとちょっとずつ状況が改善されているのはよくわかりました。
仕事柄腰の不安は常にあるので油断はできませんが、一安心といったところでしょうか・・・。
ゆる体操をはじめとするゆるプラクティスは医療行為ではありません。よって腰痛に対する効果は個人差があり、この文章はあくまで私の個人的経験に基づくものです。また、この文章には医学に関連した話題も出て来ますが、そのすべてに統計的裏付けが保証されている訳でもありません。その点をご了承して頂いた上でお読みください。
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