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腰痛のためのゆる体操のやり方10分
- この記事はこういう人のために書きました。
- つらい腰痛で苦しんでいる人
- スポーツで腰に問題を抱えている人
- 治療師、トレーナーを目指している人
腰痛は実につらく、生活の質を大巾に下げてしまいます。この記事にあげるいくつかの体操を、ご自分の無理のない範囲でやっていただくと、つらさがやわらぎ、体にも気持ちにも余裕が生まれます。
この記事では、腰痛のある人がやりやすいように、寝ながらできる体操と、座った姿勢でできる体操を中心にご紹介します。
また、最後に一つ、立った姿勢で、手近な椅子やテーブルでできる体操もご指導します。
全部の体操をマジメにやらなくてもいいのです。ご自分のできそうなものを、一種類でもかまいません。
私はゆる体操を10年以上、教室を中心にご指導しており、腰痛もちだった生徒さんたちがゆる体操によってだんだんよくなってこられるのを目の当たりにしてきました。
そうした生徒さんたちの中には、「毎週必ず整体の先生のところへ行かないとつらくて仕方がなかったけれど、いつの間にか全然行かなくなってしまいました」という人が多くおられます。
皆さんも、どうぞ、この記事を読んでゆる体操のやり方を学んでいただき、お役立てくださいますように。ただし、効果には個人差がありますので、ご了解くださるようお願いします。
ー目次ー
ゆる体操を行なう時のお願い項目
- 1.気楽にやる。無理をしない、がんばらない
- 2.指導員の動き(写真や動画)を見ながら
- 3.声を出しながらやろう
- 4.自分の体を感じてみよう
- 5.毎日、自分で続けよう
寝ゆる黄金の三点セット
この記事で紹介されている体操は、どれも寝ながらやれるので、起き上がれないほどにつらい腰痛の時にもやることができます。
正直な話、この「寝ゆる」だけでも、最悪の状態から抜け出せることも多々あります。
また、この後に続く体操群の効き目を上げてくれるための「下ごしらえ」や「基礎」の役目をもやってくれる、重宝な体操たちです。
これらの3つの体操は、全部やらなくても大丈夫です。ご自分が楽にできるものだけを「何となくダラーっとやる」という感じで寝ながらやってください。
股関節スリスリ体操(転子スリ) 2分
( )の中は体操の略称です
仰向けの姿勢で股関節まわりを優しくさすり、固さをときほぐす体操です。寝ながら楽にでき、股関節まわりの固さが取れ、腰痛がやわらいでくる効果があります。
やり方その1
両手で股関節まわりをさすります。まず「そけい部」(脚の付け根のV字ライン)を「気持ちよく」と言いながらさすります。手の指は自然に揃えておきましょう。
やり方その2
次に「股関節の前面」をタテ方向に「気持ちよく」と言いながらさすります。指先だけでさするのではなく、手のひら全体を使いましょう。
やり方その3
最後に「股関節の横」を「気持ちよく」と言いながらさすります。腰痛のある人はこの部分が固いことが多いですから、少ししっかり目にさすりましょう。
point
「気持ちよく」と言いながらさすることで、効果が3倍にアップしますので、最初は気恥ずかしいかも知れませんがぜひ言ってくださいね。
効果
- 股関節まわりの疲労やコリが取れ、腰への負担が減る
- 立つ、歩く、走るといった動作が楽に、スムーズに行える
- さする両腕の軽度な筋トレにもなる
踵クルクル体操(踵クル)2分
寝ながらできる簡単な動きなのに、股関節まわり〜臀部〜腰裏をよくゆるめてくれる、すぐれた体操です。かかとの意識が高まり、かかとでしっかり体重を支えて立ったり歩いたりすることができるようになり、腰椎まわりの筋肉への負担が減ります。
やり方
仰向けになり、全身を脱力させます。すねの全面に力が入らないよう、かかとを中心にして「クルクル」と言いながら、両足を回します。強くやりすぎないように、気持ちよく行ないましょう
やり方のバリエーション(腰がつらくて、両脚を伸ばせないとき)
両脚を伸ばすと腰がつらい場合は、片膝を立ててクルクルやると、楽にできます。片方をやったら、左右交替して行ないます。
効果
- 股関節まわりの疲労、コリを取り除き、腰痛を緩和する
- 立った時に重心がかかと寄りの正しい位置になり、腰への負担が減る
- 立ち歩きが楽になる
腰裏スリスリ体操(腰裏スリ)2分
腰を優しくさすってほぐす体操です。「気持ちよく」と繰り返しつぶやくと、効果が大巾にアップします。椅子に座った姿勢でも、立った姿勢でもできます。最も簡単にできる、腰痛を和らげる体操です。
やり方その1
片手で腰を「気持ちよく、気持ちよく」とつぶやきながらさすります。少し手がくたびれてきたら、手を入れ替えて、「気持ちよく、気持ちよく」とつぶやきながらさすります。
point
「この時に、全身の力を抜いて行なうと、効果が高まります。さする動きにまかせて、全身を軽く揺らしても心地よいです。
やり方その2
次に、両手でさすります。「気持ちよく」と言いながらやると、本当に気持ちよくなってくるものです。両手を後ろに回すのがつらい人は、片手でさすり続けてもかまいません。
効果
- 腰まわりの血液循環をよくし、筋肉の硬さを取り、ゆるめときほぐす
- 気持ちが落ち着く効果もある(副交感神経優位になる)
坐骨モゾモゾ体操(坐骨モゾ)2分
お尻の中にある坐骨を使って、楽に座れるようになる体操です。動画に合わせて、気楽にやってみましょう。
やり方その1
椅子に浅く腰掛けて、両手は体の横に垂らします。お尻を椅子の座面にこすりつけるようにしながら「モゾモゾ」とつぶやきます。
やり方その2
左右の坐骨がわかったら、それを前後に動かします。
やり方その3
坐骨がハッキリクッキリしてきたら、もう一度左右に動かします。ちょうど左右の坐骨でステップを踏むような感じです。そして、背骨が下から一個ずつ積み上がっていくような感じで、ステップを繰り返します。
効果
- 腰が力まない座り方ができるようになり、腰痛を緩和する
- 座り仕事の持久力が高まる
- 座りの姿勢が美しくなる
- 骨盤底筋も活性化する
腕支え腰モゾモゾ体操(腕腰モゾ)2分
手近なテーブルやカウンター、椅子を使って腰をほぐす体操です。仕事や家事のスキマ時間にも、手軽に腰をほぐせます。
やり方その1
しっかりした椅子の後ろに立ち、両手をついて支えます。両手の幅は肩幅です。左右の足は閉じないで、少し開きます。
やり方その2
足を少し後ろに引いて、上半身の体重の半分くらいを腕にあずけます。腰が体重から解放されて楽になるはずです。
やり方その3
そのまま腰を左右にモゾモゾ動かして、ゆるめ、ほぐしていきます。「モゾモゾ」と言い続けると効果が3倍以上にアップします。気持ちの良い範囲でやってください。
やり方その4
テーブルに近づいてから手を離します。
効果
- 腰の疲れをとり、腰痛をやわらげる
- 背中の疲れもとれる
では、これらの体操をコツコツと毎日続けて、腰をゆるめていきましょう。最初の方にも書きましたけれど、まずは、寝ながらできる簡単なものからやってみてくださいね。
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中田ひろこ@ゆる体操