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ゆるんでいる人の日常(秘密:ゆる体操をしていない時が肝心)
私はもともとは体が固くて、なかなかゆるまないタイプだったのですが、ゆる体操をはじめとするゆるプラクティスで、全身がゆるみ、今はそれを指導する仕事をしており、顧客にはけっこう喜んでいただいてます。
さて先日、このようなツイートをしました。
ちょっと厳しい話なんですけど、ゆるめない人って、ゆる体操をよくやっているのに、その一方でゆるまない行動を無意識によくやってしまっているんですね。
— 中田ひろこ@ゆる体操 (@nakata_hiroko) November 7, 2020
例えばドアを開けるにも、ドアノブを力一杯握ってしまうとか、スマホのボタンを力んで押してるとかです。
このことについて近々、書きます。
今回は、ちょっと厳しい話です。
読んでいて、しんどかったら、読むのをやめて下さいね。
筆者が「ゆるんでいる人」という前提で書きます。
すいません。今回は「私自身の経験談」をベースにさせて下さいね。
つまり、私=ゆるんでいる人、というスタンスで解説します。
天才的なアスリートとか、芸術家のように「天然でゆるんでいる人たち」とはまったく違う、超凡人の私ですが、その分、ゆる体操をやり込んでおり、ゆる体操のやり方をよく研究してここまで来れている、という見本のような人間です。
天才というと憧れられる存在ですが、その一方、なぜ自分がゆるんで優れているのか、それが実は自分ではわかっていないケースが多いようですよ。よくある話かと思いますが、天才アスリートが即、良い指導者になれるとは限らないという話の秘密はそこにあります。
その点、私のような普通の人間が曲がりなりにも、体をゆるめる方法を自分でやり、人にも指導して喜んでもらい、長年実績を挙げているという、そういう経験談の方が、(失礼)私と同じような、普通の人である皆さんには役立つはずです。
というわけで、私が、自分の人生を実例にして解説します。
前提として、私のこのサイト「ゆるポータル神戸」はゆる体操を紹介しているのですから、読者が
・ゆる体操をある期間以上、だいたい毎日30分以上はやっている
というのを想定して書きますね。
ゆる体操をやっていない人は、まずそれを生活習慣にしてから、この記事を読んで参考になさってください。手始めにこのあたりからやり方を学習なさってはどうでしょうか。
ゆるまない行動はやめることが肝心。
基本原則がこれですね。
ゆる体操をやる、スキマ時間にも、ながらでも、出来るだけしょっちゅうやる。これは前提として、
体がゆるまない行動、つまり体が固まる行動をやらない。これです。
私自身、数年前、ゆる体操をやってもやっても、現状以上にゆるんで来なくて、やり方に悩んでいた時に、師匠からアドバイスをもらったことがあります。
以前のことですが、私の師匠から
— 中田ひろこ@ゆる体操 (@nakata_hiroko) November 16, 2020
「ゆるみたいんだったら、ゆる体操をやっていない時の、普段の時が大事なんだよ」
という言葉をもらって、それからずっと心がけてます。
「体操をやってない時にこそ、もっとゆるまないとダメなんだよ」という意味ですね。
最初は「は?」という感じで、何のことか分かりませんでしたが、それでも少しずつ手探りで実行し、体がゆるまないことをしないように心がけているうちに、だんだんやり方がわかってきて、ゆるみ度も上がって、壁を打ち破ることができ、難しいゆる体操指導員昇級試験にも合格しました。(自慢になってすみません)
体がゆるまない行動とは?(具体例)
じゃ、ゆる体操をやっていない時に、ゆるんでない行動を止める事、これが大事なのだと分かっても、例えばどういう行動のことなんでしょうか?
これは、もうありすぎて、説明し切れないです。
そして、私が観察する限り、大半のゆる体操愛好者は「そんなことしてたら・・・ゆるまないですよ・・・体が固まりますよ・・・」という行動ばかりしています。
それも無意識のうちにです。
要するに、「体がゆるむような行動(ゆる体操)をやりながら、その一方でそれを帳消しにするようなことをしてしまっている」とも言えます。
いくらゆる体操で体をゆるめても・・・ゆるめても・・・チャラになってしまう・・・下手なやり方ですよね!
ちょっと具体例を出していきます。3つ出します。あなたはいくつ当てはまりますか?
(1)仕事が忙しいと2時間でも3時間でも座りっぱなし(トイレに立つ以外)
(2)スマホの操作中、同じところを何度も押しまくる(急いでいる時など)
(3)ドアを開ける時に、グッと力を込めてドアノブを握り、回す(こういう形のドアノブの時に特に)
さて、いくつ当てはまりましたか?
ただし、たぶんですが、多くの人は、事柄によっては、特に(2)と(3)は「え?・・・そう言われても、自分もやってるかどうかよくわからない」と思うはず。
やっている自覚が無いのですよね。
しかし、自覚できているかどうかにかかわらず、こういうゆるまない、体が固まる行動は他にもいくらでもあって、たいていの人はやってしまっています。
それらを自分がいつの間にかしてしまっていることに気づかないと、どんなにゆる体操に励んでも、思うような結果が得られず、結局は本人はシンドイことになるのです。
・・・ちょうど、以前の私のように。
じゃあ、ゆるむためにはどうすれば良いのか?
一つずつ解説していきます。
(1)の解説→仕事が忙しいと2時間でも3時間でも座りっぱなし→立ち上がると腰も背中もバリバリ
背中は曲がり、首はこり、股関節もその周りの筋肉も固まりきってしまって、最初の2~3歩がつらい、腰が伸びないなんてことになってませんか?
もう、典型的に「ゆるまない行動」です。
よほど仕事に熱中してしまった時だけならまだしも、しょっちゅうこういう状態になっていたら、危険信号です。なんとしてでも防止しなければ、体の老化と退化がどんどん進んでしまいます。
さらにまずいことには、脳の活動レベルまで低下してしまいかねません。
じゃあ、ゆるんでいる人は、どういうやり方をするかというと、まず、じっと固まったまま座っているのではなくて、時々、軽く体を動かします。
手から手首をさするとか(手スリ)、肩甲骨をモゾモゾ(肩甲モゾ)動かすなどして、上半身が固まらないようにしています。下半身の固まるのを防ぐには、太腿をユッタリと開閉したり(腿ユッタリ)とか、脚を伸ばして、踵を中心に足をクルクル動かす(踵クル)などですね。
私もしょっちゅう、いろんなゆる体操を座ったままやっていますよ。4~5種類くらいを繰り返しやっていることが多いですね。
(2)の解説→スマホの操作中、同じところを何度も押す→1回押せば良いだけなのに、急いでいる時などイライラして、力一杯何度も押してしまう
これも典型的な「ゆるまない行動」ですね。
スマホって、1日のうちに何度も触るものですよね。その度にこういうことをしていたら、一回一回は大したことがなくても、だんだん固まってしまいます。
いや、スマホが固まるんじゃなくて、この場合、あなたの手の指や手首や腕が、です。しょっちゅうこういうことをしていると、チリも積もればで、慢性の肩こりの原因にもなります。
ゆるんでいる人は、手首や手全体の力を抜くようにして、その重みを使ってそっと押します。力を入れなくても、最小限の筋出力で、楽にスマホの操作ができます。
(3)の解説→ドアを開ける時に、グッと力をこめてドアノブを握り、回す→手や腕まわりの無駄な筋力を使っている
これも、ほとんど誰でもがやっている「ゆるまない行動」です。
そのドアを開けるのに、必要な最小限の力だけを使うのが、良いと思いませんか?
グッと握りしめなくても、もっと力を抜いてやっても、ドアはちゃんと開くはずなのです。それに気がつくかどうかです。
ゆるむのが上手な人は、最小限の力でノブをフッと握ってから、自分の体重をスーッとかけていって、体重を利用してラクにドアを開けます。
筋力の代わりに、自分の体の重みを使うわけです。こうして開けると体が固まりません。
ここでちょっと、中級〜上級者向けの情報ですが、(2)や(3)のような「体をゆるめて、体の重み自体を使って何かを楽に行なう」のは、体がよくゆるんでいる人がやっている、筋出力を小さくして体を楽に使うやり方です。こういう動きのことを専門的な言葉で「被制御系運動」と言い、高岡英夫先生の「究極の身体』を読む 身体の中心はどこにあるのか」(運動科学総合研究所、2003年)に詳しく解説があります。
まずは固まっていると自覚できること。そこからゆるんでいける。
自分が固まるような行動をしてしまっている最中に、「これは固まっている、やめないと」と気づけたら、やめることができます。
その場で力をふっと抜くこともできるし、ゆる体操をやることもできます。
まず、自覚できる能力、ですね。
実はそれもゆる体操をやることで身につけていくことができます。
ゆる体操を続けていくと、体がゆるんだ気持ち良い状態というのを、脳が学習します。とは言っても、子供の頃は誰でも体が自然にゆるんでいて、いつも機嫌よく生活していたのですから、これは「再学習」と言って良いでしょう。
すると、何となく「この行動はイヤだな、やめておこう」とか、「ちょっと違うやり方でやってみよう」ということが増えてきます。
それもほぼ意識しない内にやっていたりするのがすごいです。
一体、そういうことが本当にできるようになるのか?という疑問をお持ちの人も居ると思いますが、私のゆる体操教室にある期間以上来ている人で、自宅でもやっている人たちから
「今、自分の体が固まっているな、と何となくわかるようになりました。そういう時は軽くゆる体操をしています」
という感想をよくいただきますので、基本的にどなたでも大丈夫です。
そして、さらに、だんだん細かいところまで分かるようになってきます。例えば、
今、右肩の裏側がコリかけているな、いつもここにすごく力を入れて頑張ってるんだな・・・
という風に。
つまり、自分の体を客観的に見る(感じる)ことができる能力が育ってきます。
そうなってくると、どんどん、体をゆるめる方向に、自分の気持ちも体も向かっていきます。
なぜなら、ゆるんでいないと気づいた時は、すぐ、その場でできるゆる体操をやれば良いだけのことですからね!
ゆる体操には、すぐその場でちょっとできるものがたくさん用意されています。小さい動きだったり、簡単な呼吸法だったりするので、周りに迷惑もかけないし、気づかれることもなくできますよ。どうぞご自分でも、目立たない上手なやり方を工夫してみてくださいね!
以上、ご参考になったならうれしいです。
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中田ひろこ@ゆる体操