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忍び寄る”老化”の防止について自分が気をつけていること
突然ですが皆さん、「老化」についてどうお考えですか?
少し考えてみても
- 最近朝が辛くなった
- 階段が辛くなった
- 姿勢が悪くなってきた
- 物覚え、計算能力が落ちた
- 論理的に考えることが苦手になってきた
などなど、思い当たることはあるのでは無いでしょうか・・・。
ちなみに上にあげた5つの例は全て私にも当てはまることです(笑)
(ただしゆる体操をやっているので今のところなんとかそうならずに済んでいます)
これらのことについては皆さんもそれぞれ感じるところはあると思います。
老化を完全に防止する事はもちろんできませんが、今回は上の代表的な5つの例について脳の老化とゆる体操の面からの対策法をを考えてみましょう。
1.朝が辛い
朝が辛いのは睡眠による回復力が落ちてきたと言うことですね。私もリハビリでよく話をしますが、大人特に中年以上になると「寝る」ことは体にとって全然回復ではなく、むしろ朝の方が疲れていると言うことはよくあります。
これはある意味人間の大人に特徴的な現象で、元気な子供や動物にとっては「寝る」と言うことは基本的に回復です。
では、この「朝が辛い」という現象が起きてくるのはいつ頃からでしょうか?
社会に出てある程度責任のある仕事を任されるた頃、年齢でいうと30歳前後ぐらいでしょうか?
最近はもっと早いぐらいかもしれませんね。
さらに高齢者と言われる年齢になると長時間寝られなくなってしまうこともあります。
日々の疲労の蓄積など様々な理由があるでしょうが、子供は寝ると回復するのでそもそも「寝る」と言う能力のパフォーマンスが落ちていると考えなければなりません。
これは自律神経系の働きが老化により衰えてきていると言えます。
自律神経の働きが弱ると副交感神経と交感神経の切り替えがうまくいかなくなったり、副交感神経系の働きそのものが弱くなり、深いリラックスができなくなるのです。
副交感神経と交感神経の切り替えがうまくいかなくなると興奮状態が取れなくなり、疲れすぎて寝られないと言うことがおこります。
また副交感神経の働きが弱ると「もっと寝たいのに目が覚めてしまった」「ぐっすり寝られなかった」と言うことがおこります。
両方ともよく聞かれるパターンですよね。
睡眠という行為はこのように副交感神経の働きと密接に関わっていると言われています。
老化といっても様々ですが、睡眠のパフォーマンスの低下を防止する、もしくは最大限遅らせる事に関してはゆる体操は端的に役に立ちます
ゆる体操は基本的に副交感神経優位になる体操なので、寝付きの悪い方もぐっすり寝られない方も副交感神経の働きが改善されると睡眠のパフォーマンスが改善されます。
おすすめの体操は「寝ゆる黄金の3点セット」ですが、中でも特に膝コゾがおすすめです。
ふくらはぎの疲れをとりながら、「気持ちいいなー」とやっていると次第に副交感神経優位になり勝手に眠くなって寝てしまいます。軽度の不眠症ならこれだけでも治ってしまいます。
私は47歳ですが、これぐらいの年齢になると何もしなければすぐに睡眠のパフォーマンスは落ちてぐっすり寝られなくなってしまいます。
また疲労がひどい時は朝起きた時に疲れが残ってしまっていることは多々あります。
こういう日が数日続くと危険信号ですから、そういう時は念入りに寝ゆる黄金の3点セットや「ブレインゆる」をやって早めにそこから脱出するようにしています。
正直何もしないでいると40歳前後の時に比べて疲労がたまるスピードは早くなっています。
ですがゆる体操のおかげで睡眠のパフォーマンスが以前より悪くなったということは今のところありません。
2.階段が辛い
階段が辛いと自覚した方は大抵
「筋力が落ちたんだな」
と思い、健康に対して意識の高い人は筋トレで対処しようとします。しかし私はこの「階段が辛い」という現象は筋力よりも別の要素が大きいと思っています。
それについて少し考えてみましょう。
そもそも階段が辛いと感じるのはいつ頃でしょうか?
ちょっと考えてみると、皆さんかなり若い頃からエスカレーターやエレベーターを自然に使いますよね。
それは要するに「楽だから」です。
裏を返せば階段が「しんどい」からですよね。
若い方に階段を登るための筋力が足らないとは考えにくいと思いませんか?
実は階段が辛いのは体の使い方と感じ方が鈍くなることに原因があります。
使い方でいうと、もも裏 を使えば階段は楽に登れます。
という事は階段が年齢にかかわらず以前より辛くなってくるという現象は、実は少しずつもも裏が使えなくなってしまっている、そしてそれに気づいていないという事なのですね。
メカニカルな話は難しいのでここでは避けますが、どうしてもも裏を使う事で階段が楽に登れるかというと、体にとって一番「無駄のない階段の登り方」がもも裏を使うことだからです。
しかし脳の運動を担当する部分の能力が老化して衰えてくると「もも裏を使えば良い」と教えてもらってもその通りにもも裏を使うことができなくなります。
実はこの能力は本当に早い段階で衰えてしまって、20代でももも裏の使い方が中々できない方もおられます。
実際私も体調が悪くなると、もも裏を使う比率が下がってしまって日常で色々と苦労しますので、一般的には出来るだけ早い段階で対策をすることがよいのではと思っています。
もも裏を使う練習をしておかないでほおっておくと、使い方と言われてもさっぱりわからなくなってしまって(練習すればできるようにはなりますが)最初はちょっと苦労してしまいます。
ですからそういうことも含めて簡単に思い出せるようにゆる体操で日常的に使っておくのが良いですね。
ゆる体操での対策は「ウッススリスリ体操」や「もも裏スリスリ」体操ですね。
これらをじっくりやってもも裏を使えるようにしていくのが良い老化防止対策になります。
また、背中や腰は疲労によりすぐ固まります。背中や腰がよくゆるんでいないともも裏は使えませんが、脳の中で体の情報をキャッチする部分が衰えると背中や腰がゆるんでいないのがわからなくなります。
ですから日頃から「寝ゆる黄金の3点セット」や「背中モゾモゾ体操」をして腰背部の疲労に対して(いい意味で)敏感になっておく必要があるのです。
これらは老化でも能力が衰えますが、疲労していると同じように(この場合は一時的ですが)能力が落ちます。
私の場合は疲労がたまると元々の腰痛持ちのせいもあり腰と背中が固くなるので階段で登るときはもも前に入ってしまって、上がるのがしんどくなり、降りるのはドタドタして最悪の時は膝が痛くなることすらあります。
こうなるとかなり悪い状況なのでここまで悪くなってしまったら休みの日などにしっかり時間をとって「寝ゆる黄金の3点セット」で疲労をとり、もも裏や大腰筋系のトレーニングで体の調子を整えるようにしています。
3.姿勢が悪くなる
これは2で述べた事と大きく関係しています。
もも裏が使えなくなると姿勢は悪くなります。
ですが姿勢が悪くなるという現象は全身の問題なのでもも裏だけでなく体を支える軸(=センター) の意識、感覚が衰えることが一番大きな原因です。
意識が衰えるというと少し難しく感じるかもしれませんが、人間の意識は脳によって作られます。その点から考えると疲労した時に姿勢が悪くなるのは姿勢を維持しようとする脳の機能が疲労で一時的に衰えるからです。
ただ、軸(=センター)の感覚、意識と言われてもほとんどの方はピンとこないかもしれません。
これはなぜかというと実はほとんどの方が軸(=センター)の意識をずいぶん早い段階から失っているからです。
と聞くと皆さん
「え?そんなもの自分にあったなんて知らないけど?」
と思うかもしれません。これに対しては
「覚えていないぐらい前から軸がなくなっている」
と考えてみてはいかがでしょうか?
物心がつく以前には皆さん軸の意識があるのです。
赤ちゃんや幼児はまっすぐ立っていますね。
本当に小さいときは少しガニ股だったりしますが、おむつが取れる頃には脚もまっすぐになっています。
あれが軸(=センター)がの意識がある状態です。
軸の意識があるので姿勢を(無意識に)キープしようとするのですね。
そんなに小さい頃の体の感じを覚えている人はほとんどいませんから、軸と言われても最初から無いような気がするのです。
私に関していうと軸のトレーニングは毎日なんらかの形でしていますが、やはり好不調の波はあり、また好調の時でも調子が良すぎるといつの間にか疲労して軸の意識が失われてしまうことがあります。
忙しさで数日間でもこの状態を放置すると、私のように20年間ゆる体操に取り組んでいても軸のある状態を体が思い出せなくなります。
そういう時に私は
「これを1ヶ月2ヶ月と放っておくと本当にセンターがある状態がわからなくなって単なる疲労から老化の状態になっていくんだろうなぁ」
と実感します。
ですから常に意識して姿勢が悪くなることに対する対策をしておかなければいけません。
こういうと大変なことのように感じるかもしれませんが、ゆる体操ですから非常にローコストハイリターンですんでしまいます。
これに対する具体的なトレーニングは「スーパーウォーク歩道」 やゆる体操の「センター通しスパー体操」が最適です。
でもよっぽど疲れていたり、長い間体が固まったままでいるとなかなか姿勢が良くなってきません(センターが通ってこない)ので、そういう時は「寝ゆる黄金の3点セット」で体をよくゆるめ、脳と体の疲労を取ることが大事です。
4.物覚え、計算能力が落ちてきた
物覚えが悪い、計算能力が下がるという事は典型的な老化現象であると言えると思います
ちなみに私は若い頃(といっても10代の頃までですが・・・)は記憶力はかなり良い方だったのですが、詰め込み教育の時代の人間なので、むしろそれに反発する形で
「暗記よりも物事の理解が重要だー!」
と無茶苦茶な考えに至り、さらに20代の頃は
「暗記など不要!忘れたら調べたらいいのだ!」
などと考えて、どちらかというと暗記を馬鹿にしていました。
そして30代になると短期記憶が少しずつ落ちてきたのを自覚していたのですが、あまり危機感を感じていませんでした。
それが40代になると名詞や人の名前がすぐに出て来なくなり(10代の頃から人の名前は覚えられないタイプだったのですが)、最近は昔覚えたスポーツ選手の名前も出て来なくなりました・・・・。
これってやばいですね・・・。
でも正直言って皆さんも同じように感じているのではないでしょうか?
記憶は本質力と具体力 でいうと具体力の部分も大きいと思います。
ですから具体的で地道なトレーニングが必要です。
くだらないかもしれませんが、今日が何月何日何曜日とか毎日意識するのが地味でも大事かなと思います。
また、経済に興味のある方は(私はありませんが)その日の株価や円相場の終値を覚えておくのも良いかと思います。
計算能力も現代の日常生活では次第に不要になってきているので、気をつけたいところです。これは数年前からレジでもお釣りを計算するどころか、お釣りを数えることもせずによくなったことでもわかります。
さらに最近は電子決済が進んでお金のやり取り自体をすることも無くなってきました。
世の中の流れといえばそうですが、人間はどんどん頭を使う機会を失っていると思います。
お釣りにしても私は財布の小銭をできるだけ無くしたいので、できるだけ財布から小銭が減る出し方を計算して出したりしていましたが、コロナ禍以降(安全面の意味から)カードの支払いを増やすようにしたところ、途端に暗算能力が落ちてしまいました。本当に便利なのもほどほどにしないと、このままでは人間はダメになってしまうような気がします。
こういう事への対策と言えば「適当に掴んだ小銭の枚数や金額を数えたり計算する」ことや、「ランダムでデジタル時計で時刻を見て4桁の数字を(四則演算で)10にする」ことなどもゲーム感覚で良い訓練になると思います。
記憶や計算も習慣ですのでこういう地味なトレーニングで維持できますし、能力が少し回復したりもします。
つまりこういう努力自体がよい防止策になってはいます。
しかしそういうふうに努力をしても脳は必ず老化で相対的に衰えてきます。
脳が老化してくると、そもそも日常的にこういったトレーニングをすること自体が疲れてくるのです。
ですからいつも脳の状態を良くしておくことが大事になってきます。
「脳の状態をよくするって?」
と思われるかもしれませんが、要するにいつも頭がスッキリしている状態なら記憶力も維持できやすいですし、先ほどの簡単な頭の体操もささっとできる感じがしますよね。
つねに頭をこういう状態にするには、ゆる体操のうち何種類かある「ブレインゆる」がおすすめです。
また頭の働きには姿勢(正確にいうと「軸=センター」)の良し悪しも関わってきますから、先ほどお話しした「センター通しスパー体操」や「腿裏スリ」もおすすめですね。
もちろん私はゆる体操で常に軸は意識しながら、それに加えて計算や記憶の訓練もしています。
しかし、記憶力や計算能力はやらなければ本当に一瞬で衰えてしまいますね・・・。
若い頃のバカなこだわりのせいですっかりバカになってしまった私の記憶力や計算能力ですがこれ以上落ちないようにしたいものです・・・。
5.「論理的」に考えることが苦手になってきた
大脳を使うという事では記憶と似ているところもありますが、少し別の脳の使い方ですよね。
計算や暗記だけでなく物事を組み立てる能力、場合を分けて考えるなどの能力も含むと思います。
こういった高度な認知機能は老化で衰えてきますが、強いストレスや過労でもかなり落ちます。
コロナ時代の現在、まわりを見渡してみても
「なんでこんなことで大騒ぎするの?」
ってことや、自分に対しても
「なんでこんな失敗をしてしまったのだろう?」
みたいなことはありませんか?
因果関係を示すことは難しいですが、これらの原因はコロナ禍という非日常(今後はこれが日常となっていくのですが)のストレスの中で物事を冷静に判断する機能が落ちてしまっていることと無関係ではないと思います。
そして、そういう外的原因がないのにそういうことが頻発してくると、それは老化の影響を考えた方が良いかもしれません。
これに限らず一般的に老化の影響というのは完全に防止することはできませんが、遅らせたりすることはできます。
ですから、しっかり自分の衰えを認識して対策を取ることが必要だと思います。
論理的な思考は高度(で困難)な機能ですから例えば肩が凝っているだけで働きは悪くなってしまいます。
ですから体のどこかが固まってしまうとその影響が気づかない間に現れてしまいます。
数学者のグレゴリー・ペレルマンをご存知でしょうか?
20世紀初頭から解かれていなかった数学の難問「ポアンカレ予想」を解決した人ですが、彼が子供の頃はいつも体をゆすったりゆらしたり、動かしながら考えていたそうです。
現在なら「落ち着きがない」とか「多動」とか言われてしまいそうですが、おそらく常に軽く体を動かしていた方が思考能力が上がることを彼は無意識にわかっていたのでしょうね。
このことを考えると高度な認知機能に関しても(少なくとも間接的には)どんなゆる体操でもなんらかの効果があると考えても良いと思います。
そうなると「寝ゆる黄金の3点セット」でよく疲労を取っておくのも良い方法と言えます。
ですが、やはり直接思考に響くゆる体操は先ほどのブレインゆるや軸(=センター)系の体操がいいでしょう。
肩ギュー体操などがそうですね。
先日将棋の藤井聡太さんの対局映像を見る機会がありましたが、やはり背中から腰にかけて柔らかくゆるんでいる印象がありました。
将棋の対局は12時間以上行われることも多いですから、そんなに長くじっとしていると肩や首、背中や腰の疲れも思考能力に大きく響くでしょう。
ですから体がゆるんでいるということは非常に大きなアドバンテージになるのです。
老化は気づかないうちに忍び寄ってきている性質のものです。
そして老化で一番怖いのは脳や体が衰えることにより自分の状態を客観的に認識する機能が衰えることです。
こういうと高齢者に見られる「認知症」のことかと思われるかもしれませんが、ゆる体操に取り組んでいる私から見ると、人は10代の頃からすでに上に述べたこと以外にも様々な部分で老化が始まっているのに、日常での不便がとりあえずないのでそれに気づかないだけなのです。
そして老化が徐々に進んでくると、毎日の生活の中でいつの間にか出来ることが減ってしまったり、新しいことに挑戦することが億劫になってしまいます。
ですから日々の対策が必要になります。
そして私はそれにはゆる体操が最適だと思っています。
そして、ご自分の気に入ったゆる体操を日常生活の合間に取り入れることで老化に対する効果を持続させることができます。
自分で疲労が取りきれない時にはもちろん達人調整 を受けてみるのもオススメですよ。
また当サイトのブログ「ゆるんでいる人の日常、ベテラン編」や「ゆるんでいる人の日常、マニア編」も参考になさってください。
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中田ひろこ@ゆる体操