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在宅勤務で起こりやすい5つの体調不良
2021年1月7日関東一都2県に2度目の緊急事態宣言が出ました。続いて1月13日に地域が拡大され全国の主要都市が再び外出自粛令に見舞われることとなりました。緊急事態宣言を受けて、1回目の2020年の時と同じように在宅勤務にシフトする企業が再び増加すると思われます。
そして残念ながらこのようなパンデミックに伴う外出自粛は、今後増える事はあれ減ることはなさそうです。
今後在宅勤務はむしろ当たり前の勤務形態として定着していくことでしょう。
在宅勤務には業種の違いを超えてさまざまな利点がありますが、同じように様々な短所もあります。
特に小さなお子さんがおられる家庭では色々と大変な事もあるでしょう。
在宅勤務の意外な落とし穴・・・
このサイトはゆる体操のサイトなので、特に在宅勤務と健康維持という視点で考えてみると、
在宅勤務の健康面での短所は「運動不足や長時間の同姿勢によっておこる様々な体調不良」
が挙げられます。
「それって、会社で勤務するのと同じと思うけど・・・?」
という意見もあると思いますが、実は同じ事務作業でも会社でするのと自宅で1人でするのとは大きな違いがあります。
自宅だと一見いつでも休憩を取れそうな気がしますが、お子さんの世話や介護など、他にしないといけない事がない限り意外に目の前の事に集中し続けてしまうものです。
会社ではまわりに同僚がいますから、疲れてくると自然に会話したり、まわりとお茶をしたりする機会もあるものです。
お昼ご飯も外に食べに行ったりして、その間は良いリフレッシュになりますが、在宅勤務だとついあるもので済ませてしまったりしますよね。
また人は他人にみられていないとむしろ「成果を出さないといけない」と思うものですから、そのプレッシャーで普通以上に頑張ってしまう方もおられるでしょう。
これも通常勤務より余分なストレスを受ける事になりじわじわと疲労していく遠因となっていきます。
ということで同じ内容の仕事でも出社するのと在宅でするのとでは、在宅の方がびっくりするほど長時間労働になってしまったりして、体や脳の疲労、そして精神的なストレスもよりひどいものになりがちなのです。
ここでそれらの具体的な症状を考えてみましょう。
在宅勤務で考えられる体の諸症状には、
- PC作業による腱鞘炎や様々な手の症状
- 長時間のPC作業による頭重、脳の疲労、肩こり
- 長時間の坐位による下半身の血行不良
- 同じく長時間の坐位による腰痛
- 慢性的な運動不足による全身の不調
などが挙げられます。
ざっと想像しても皆さん納得される部分が多いのではないでしょうか?
今回はこれらを「身体運動」と捉えて一つ一つ検討し、対策としてのゆる体操を考えてみましょう。
この記事を書いた人
1.PC作業による腱鞘炎や様々な手の症状
まず、はっきり言って長時間のPC作業は重労働という認識が必要だと思います。
まだまだ日本の企業では長時間のPC作業に関する身体的な不調に対して対策をしなければならないという認識すらありませんが、手や首に対して影響が少ない環境を企業側は提供する必要があると私は考えます。
それは置いておいて、長時間キーボードを叩き続けるとどうなるでしょうか?
当然手のひらや指、手首を酷使するのでそちらを痛めやすいという事は直感的にお分かりだと思います。机の高さは結構重要で高すぎても低すぎても作業をすると手にとって無理なポジションになるので、ピアノなどでよく言われるように出来るだけ指をキーボードに落とす感覚の姿勢が良いです。
しかし、どんな楽な姿勢がとれたとしても基本的に同じ作業をし続けるのは体に負担はかかりますから、手や指まわりが固まり、疲労します。
話は少しそれますが、一部のトップブロガーの間では腱鞘炎を起こすほど記事を更新し続けるのが勲章のように言われている事もあるようですが、とんでもない思い違いです。
プロ野球選手が自主トレで投げ込みすぎて肩を壊したらどうしますか?
クビにならないまでも厳重注意は間違いありませんよね。
毎日記事を更新するのは努力としては素晴らしいですが、それが原因で腱鞘炎になどなってしまっては無駄な負担を体に強いる事になります。
ですから文章を書くプロなら、腱鞘炎にならないように手のケアをしなければなりません。
それぐらい、ブロガーの方も自分の体に対して高い意識を持って欲しいものです。
それに加えて先ほども述べたように在宅勤務ではいつでも仕事ができるので、逆にいつまでも仕事をしてしまうという難点があります。
休憩も自由ですが、うっかり集中してしまうと長時間PC作業をしてしまいがちです。
それにまわりに人もいないのでつい息抜きに会話をするという流れにならず、仮に息抜きでチャットをするのが許されているとしても、それもPC作業なので手の疲れが取れるわけではありません。
という事で通常の勤務よりはるかに腕や手が疲れやすい状況になってしまうのです。
これに対する対策は手をゆるめる「手首スリプラ体操」をこまめにする事です。
できれば「肘クルン体操」もおすすめですね。
この二つの体操は座ったままできる体操なので、少しでも手が疲れたりこわばる感じがしたら、 10秒〜20秒程度でもいいのでやると作業効率が上がりますよ。
2.長時間のPC作業による頭重、脳の疲労、肩こり
そもそもデスクワークは頭を使う作業ですのでただでさえ脳が疲労します。そしてアナログの事務作業以上にPC作業は目を酷使するので、脳の目を支配する領域が疲労しやすいです。そして脳の目を支配する領域である視覚野は後頭部にあるので、後頭部が非常に疲労しやすい状況になります。
当然眼球そのものも疲労しますので、認識としては眉間や目の疲労を感じる方は多いとと思いますが、実はある意味それ以上に脳の後ろ側の疲労が大きくなります。
またずっと前に集中する状況にいるので、頭が前傾した姿勢になり、物理的にも首が疲れ肩がこってしまいます。
この症状に対してのおすすめは「背もたれ首モゾモゾ体操」です。
背もたれ首モゾモゾ体操は名前の通り背もたれを使って後頭部を刺激する体操ですが、後頭部を刺激することによって付近の血流が良くなり、30秒から1分するだけで目がスッキリした感じになります。また当然首の筋肉もゆるむので首の疲れ自体も取れます。
この体操をすると後頭部や首が痛すぎて出来ないという方が時々おられますが、それは自分が思っている以上に後頭部の疲労が大きいと思っていただいて間違いありません。
そういう方は最初のうちはタオルなどを背もたれにしいて痛くないようにやってみたら良いと思います。
最初からタオルを背もたれにかけておくのもよいですね。
3.長時間の坐位による下半身の血行不良
座り続ける事が下半身の血行を妨げ、最悪の場合血栓を作ってしまい、危険な場合もあることは「エコノミークラス症候群」によって知られるところとなりました。
私はゆる体操を指導する立場として、旅行で長時間坐位の姿勢をとられる方から相談を受けると、
「太腿をさすったり、腿ユッタリ開閉体躁を時々やってもらって血流を確保するようにしてください」
とよく言ってきましたが、現在では旅行よりも在宅勤務によってそのリスクが増えてしまっている状況にあります。
ですから、エコノミークラス症候群の対策と同じように気がついた時に「太腿ユッタリ開閉体操」をするのがベストです。
この体操は手を止めなくても仕事をしながらできるのが良いところです。
ですからちょくちょくこの体操をすることで足まわりがスッキリします。太腿を動かすということは関節でいうと股関節を動かす事ですから、股関節周りをゆるめる事は関節的にその周辺である腰まわりをゆるめる事にもなって腰痛の対策にもなります。
同じ理由で「踵クルクル体操」もいいですね。
繰り返しますが、仕事の手を止めずに下半身をゆるめることができるので「気が付いたらやっている」という感じになればよいですよね。
4.同じく長時間の坐位による腰痛
長時間座ることは当然腰痛の原因にもなります。在宅勤務では自由に息抜きができそうに見えて気がつくと長時間作業をしていたりすることが多いです。
また、太ももユッタリ開閉体操で腰まわりもゆるむと言っても、やはり時々は席を離れて腰まわりをゆるめる「腕支え腰モゾモゾ体操」をするのが良いでしょう。
在宅勤務の利点を生かして、ある程度しっかり時間を取って「寝ゆる黄金の3点セット」をするのも良い事です
ですがいくら在宅勤務と言ってもさすがに寝転がってしまうと集中力が途切れてしまうので、「寝ゆる黄金の3点セット」もいいですが、立ち姿勢でできる腕支え腰モゾモゾ体操をするのが良いのではないでしょうか?
椅子の背もたれを使えばPC画面を見ながらできますので、少し気分転換したい時や発想転換したい時などにやればさらに良い効果があるかもしれませんね。
5.慢性的な運動不足による全身の体調不良
今までのご紹介した4つの体操を時々やっても全身を動かさないことによる運動不足はどうしても起きます。
この場合の「運動不足」で大事なことはカロリーの消費云々よりも、1日のうちに少しでも全身の筋肉を動かしているかという意味での「運動不足」です。座りっぱなしの状態では腕や脚をゆる体操でゆるめても体幹部は中々ゆるみませんから、いつの間にか肋骨や横隔膜といった呼吸に関わる大事な部分の運動性が落ちてしまい、最悪の場合プチうつのような状態になってしまいます。
普段なら通勤の時ぐらいは歩くので少しは全身運動をしますが、外出自粛で通勤もなくなってしまうと、1日の中で歩く時間がほとんどなくなってしまい、全身を動かす機会が全く無くなってしまいます。
日常で通勤しかしていないと(当然個人差はありますが)一日3000歩程度しか歩かないということがよくあります。
しかし、通勤も無くなってしまうと1日の歩数は1000歩に満たないということもあり得ます。
しかもおひるごはんすら家で済ませてしまうと、休みの日に一日中家でゴロゴロしていた時と運動量はさほど変わらないでしょうから、本当に数百歩しか歩いていないという事はおきますよね。
こういう時に大事な事は、とりあえず一度は全身を動かしておくという事です。
そしてそれには「足ネバネバ歩き」が最適です。
ただ歩くよりも効率良く全身を使う運動ができますし、1〜2分やれば全身の凝りが取れてスッキリします。この体操も場所を使わないので、もうちょっと時間があって、10分程度でもできれば結構な運動になります。
(10分間足ネバネバ歩きをするのは結構大変ですが・・・)
もし20分もやればカロリーもそこそこ消費できますし、しっかりと爪先を床につけてやれば物音もほとんど立ちませんので自宅でする「家トレ」としてもいい運動になりますね。
まとめ
では症状と効果的な体操をまとめておきましょう。
- PC作業による腱鞘炎や様々な手の症状→手首スリプラ体操
- 長時間のPC作業による頭重、脳の疲労、肩こり→背もたれ首モゾモゾ体操
- 長時間の坐位による下半身の血行不良→太腿ユッタリ開閉体操
- 同じく長時間の坐位による腰痛→腕支え腰モゾモゾ体操
- 慢性的な運動不足による全身の不調→足ネバネバ歩き
どちらにせよ在宅勤務(PC作業)特有の症状というのはありますので、定期的に手を止めて(「腿ユッタリ開閉体操」は止めないでもできます!)ゆる体操をしていただくと、体の疲労がとれストレス解消になるばかりか結果的に仕事の効率も上がるのでおすすめですね。
具体的な体操のやり方については当サイトの記事「在宅勤務のためのゆる体操のやり方10分」でご紹介させていただいています。
また、近日動画も公開予定ですのでそちらも楽しみにしていて下さい。