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料理とゆる体操
みなさんこんにちは。ゆる体操やっていますか?
ゆる体操は本質力のトレーニングです。本質力なのであらゆる身体運動や認識活動に役に立ちます。
今日は最も身近な身体運動、ゆる体操の料理への応用について、自分の経験からお話ししたいと思います。
料理とゆる体操は相性抜群!
調理とゆる体操は非常に相性がいいです。
ではさっそく今から野菜炒めを作ってみましょう!(笑)
材料は適当でいいです。冷蔵庫にある野菜と肉を使います。
まず、基本的に「材料が適当で良い」というところが大切です。素材の切り方とか、火を通す順番を知っていれば大丈夫です。
味付けもその場にある調味料でやります。最低塩があればOKです。
ちなみに中華っぽくしたければとりあえず中華の調味料を、イタリアンっぽくしたければとりあえずニンニクとオリーブオイル、そしてトマトを使えばOK!
トマトを使えば炒めというより煮込みになりますが、そんな事は知りません、気にしません。
このように、「今あるもので何とかする」能力は馴れもありますが、要するにそれができると言うことはすなわち「ゆるんでいる」という事なので、根本的なところでゆる体操が役に立ちます。
プロの料理人の創作料理になると、この辺りの自由な感性が重要になるんでしょうね。
食材を洗う
次に食材を洗います。冷静に考えてみると、食材は種類によって様々な形や硬さ柔らかさがあります。じゃがいもとトマトときゅうりでは硬さ、柔らかさ、形とも全く違う食材です。
こういうことに自然に対応するには普段から手首スリプラ体操や手スリスリ体操をよくやっておく事が重要です。
「そんなにいうほど難しいことなのか?」
と思われるかもしれませんが、さまざまな物性に対する手の対応力というものには意外に個人差があるものなのです。
日常の家事レベルではそれが問われないので問題にならないだけとも言えるでしょう。
結局のところ手がゆるんでいるのとゆるんでいないのは(手首スリプラ体操をやっているのといないのとでは)、食材を洗うスピードに差が出てしまいます。
これは別に急いで洗うということではなく、普通にやっている時のスピードに差がつくということです。
これは片付けの時の洗い物も同様です。早く、無駄なくものを洗うには手のゆるみが必要なのです。
食材を洗ったら今度は食べやすい大きさに切りましょう。
ここで、ちょっとストップ!
包丁は切れますか?切れる包丁を持つと調理が楽しくなりますよ。
包丁を使う
自分で研げるとさらに良いですね。私は自分で包丁を研ぎますが、ミニトマトのヘタを左手で横向きに持って空中で上から包丁を引いてカットできれば「キレてる」と判断することにしてます(笑)
私のように武術をやっている人間は「切れる」ということに特別なロマンを感じてしまう性格なので、食材が「切れる」と楽しくて仕方がありません←ヤバい奴ではありませんよ・・・。
さて、実際に包丁を使うときに非常に大事な身体意識があります。
その一つ目は「重み」という身体意識です。
「重み」は「重」とも言いますが、実際の重さとは違い、その物体が持っている重量を最大限利用できるように潜在意識化された身体意識です。
「重み」の身体意識ができるとその体の部分や物体がしっかりとした重量をもって感じられるようになります。
そして「重み」はゆるむことと密接な関係があり、ゆるむと「重み」の身体意識が発達し、「重み」がを使えればさらにゆるみが進みます。
ですので腕や包丁の「重み」が身体意識化されると最小限の力で楽に作業を進めることができます。
この辺りの事は高岡先生の書籍『『究極の身体』を読む 身体の中心はどこにあるのか』に高岡先生がカボチャを切る話で紹介されています。
よろしければご参考になってください。
ですので、「重み」の身体意識が発達すると食材がよく切れるようになりますし、切れる包丁を使うと、包丁と腕の「重み」がよく感じられるようになります。
さて、「重み」を身に付けるゆる体操はなんでしょうか?
分かりやすいところで言えば、腕プラーンおじぎ体操、もしくは腕プラーン振子体操でしょう。
この二つの体操は「重み」という身体意識を学ぶのに最適です。痩せていて腕が細い人でも重みを最大限に使えるようになると良く切れるようになるので、普段からよくやると良いですよ。
また、「重み」だけでなく、料理では実際の腕の使い方も重要なので、腕を深いところから使えるようになる上腕ジョワーン体操も超オススメです。
さて、包丁を使うときに大事な身体意識は他に何があるでしょうか?
そうですね、実際に切るわけですから、食材が切られた時の「切断面」が潜在意識下にあることも「重み」と同じように重要です。
切る前に切られた面が意識出来ているかということですね。
そして「切断面」(運動科学では「切断面」が身体意識化されたものを「切面」と言います)に注目するならばセンター通しスパー体操ですね。
スパーとセンターが通れば、自然にセンターから面の意識が生まれてきます。
おお!なぜセンター通し”スパー”体操なのかと言うと、センターを通すことはもちろんのこと、そこから生まれる「面」を作る体操だったのですね!
でもみなさんの中には、
包丁を切る面と軸(=センター)から出る面は位置的に違うのだから直接は役に立たないのでは?
という疑問があるかもしれません。
その通りです。直接的には役に立ちません。でもセンターから出る面(武術の世界では「正面」とも言います)は全ての基本であるセンターから出る面の身体意識なので、必ず潜在的に役に立つようになるのです。
ですので、結局のところ切面は食材を切る時に素晴らしく役に立つ身体意識なので、ぜひ普段からセンター通しスパー体操で「面の身体意識」を鍛えて美味しいく食材をカットしてください。
そして面が身体意識化できて、しかも切れる包丁を使うと実際に出来上がりも良くなります。
最近私が青椒肉絲を作った時のことですが、包丁をよく研いで、軽く面を作る体操をやってから調理にかかると、やはり調理がしやすいし、仕上がりも素材の歯ごたえが良くなって美味しかったです。
刺身などは、包丁の切れ味や職人の腕で味が変わってしまう事は有名な話ですが、野菜も切り口によって味が変わるのはやっぱり同じだと思います。
また面の身体意識が出来てくると、切れない包丁を使うことは色々な意味で苦痛でしかないので、料理が好きな人なら自然に切れる包丁を求めるようになると思います。
そして、今までは右手の話ばかりをしていましたが、食材を切るときは右手だけでなく左手も大事ですね。
包丁で食材を切るときは指が切れないように指の関節が包丁の面にあたるようにすることが一般的ですが、この時も面の意識があるとうまくいきます。
さらに両腕が甲腕一致でできると素晴らしいですね。ですので肩甲骨周りのゆるみも非常に大事です。
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さてスパスパスパーと食材が切れたら次は炒めていきましょう。
食材に火を通す
食材を入れる順番には気を付けてください。火が通りにくかったり、焦げやすかったりする食材は順番や火加減を考えないといけません。
そして食材を入れたら鍋に焦げ付かないように鍋を振ったり、かき混ぜなければいけませんね。
ここで重要なのは腕の使い方です。
鍋を振るときは最低でも肩甲骨、できれば肋骨を使う事が重要です。
でないと野菜よりも手首や腕を炒めて(痛めて)しまいます!
ですので鍋を持った瞬間についうっかり立甲してしまうぐらいでないとダメです!
肩甲骨を使うなら、肩甲骨モゾモゾ体操、肋骨を使うなら肩ユッタリ回し体操や、胸フワ背フワ体操が最適です。
肘クルン体操や上腕ジョワーン体操も体幹部から生まれたパワーを腕に伝えるやり方として重要ですね。
鍋を振るのに肋骨や肩甲骨?
鍋を振るのに肋骨や肩甲骨? と思われる方もいるかもしれません。 しかし、プロの料理人さんは胸郭が発達している人が多いです。
これは太っている、痩せている関係なく(プロの料理人さんは太り気味の人が多いですけど)肋骨そのもののスペースが同じ体格の人と比べて大きいということなんですね。 要するに普通は大人になって肋骨や肩甲骨が固まっていくのに比べて、プロの料理人は普段から肋骨や肩甲骨を使っているので、固まらずに済んだ、もしくは元々肋骨や肩甲骨を使える人が、プロの料理人になっていくということが考えられます。
ちなみに私は外食に行ったら初めてのお店ではシェフのそういうところを見るようにしています。
また、料理するという行為は「美味しいものを食べてもらいたい」という情熱が根本にあるので、中丹田が発達している人が多いということもあると思います。 以前私の自宅の近所にあったイタリアンのシェフは、普通では見られないような中丹田の塊のような人で、素晴らしい料理を出す方だったのですが、成功したので繁華街にお店を移転しちゃいました・・・。
その後その方はコンテストで賞を取ったようです。
鍋を振ったりするときだけではなく、右腕で食材を混ぜるときも肩甲骨や肋骨の意識があると大きく、しかも繊細に回すことができるようになります。
ですのでやはり基本的な能力として肩甲骨や肋骨の意識はあればあるほど良いということになりますね。
さあ、出来上がったら盛り付けですね。
これも軸(=センター)があるとうまくいったりします。
やっぱり軸(=センター)は最重要の身体意識なんですね〜。
本質力と具体力は両方大事
てな感じで、料理とゆる体操は大変相性が良いです。
当然のことながら料理は具体力も非常に大事なので、経験と知識は重要です。しかし、本質力があれば少なくともつまづきにくくなりますし、趣味や家事のレベルで楽しむなら毎日やっているゆる体操がかなり役に立つものです。
そして、逆説的かもしれませんが、高いレベルで勝負をするプロの方にこそ、ゆる体操で鍛えた本質力は即料理に役に立つのです。
今はスポーツのパフォーマンスアップでゆる体操は注目を集めていますが、ゆる体操を作った高岡先生は
武術と似ているのはスポーツよりも家事だ
とおっしゃっていました。
ゆる体操は武術家である高岡先生が作った体操なので、最重要の家事である料理はゆる体操と相性が良いのは当然です。
日頃からゆる体操をやっている方なら、すでに料理で効果が出ているかもしれませんよ!
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