column article
「立甲」へのゆる体操10分
さて、以前立甲への15分配信予定・・・と言いましたが、色々あってすぐには出来なさそうです。期待していた人がいたらすみません!(誰もいないだろ・・・っていうのは今回はなしで)
という訳で、とりあえず「立甲へのゆる体操10分」始めますよ! あれ?5分短いやん・・・
2022年1月28日追記:2021年1月に有料配信開始、その後2022年1月28日にYouTubeで全編無料公開しました。
はい、とりあえずやってみました。立甲です。注意するところは
- 水平に対しての肩甲骨の角度
- 肋骨が肩甲骨と分離しているかどうか
ですね。
角度は45度程度でしょうか?肋骨と肩甲骨が分離しているかどうか、も大丈夫そうですね。高岡先生の著書「肩甲骨が立てばパフォーマンスがあがる」では「肩甲骨の角度が40度以上を本格的な立甲とする」とあります。
という訳でこれを立甲と認めましょう!
では、様々な具体的なパフォーマンス(ここでは「健康」も具体的なパフォーマンスとします)にとって大事なことは1と2のどちらだと思いますか?「そりゃ立甲なんだから1でしょう?」と考えたあなた。
するどい!
正解は2の方です。(オイ・・・。)
なぜかというと肋骨がついて行ってしまう場合、これは肩甲骨と肋骨の間が癒着していて現実には使えない体なのです。「健康」の面でいうと肩こりならぬ背中凝りの状態ですね。肋骨の動きが肩甲骨に阻害される状態なので息苦しいし腕の動きも当然悪くなります。ですから私はいきなり立甲のトレーニングをすることよりもむしろ肩甲骨周りと肋骨の間の自由度が高くなる(ゆるんでいる)方がある意味重要と考えます。また現在のところ立甲の具体的なトレーニング方法はゆるプラクティスの開発元である運動科学総合研究所の講座でしか教わることは出来ません。
ですからここでは、肩甲骨周りをよーくゆるめる事が立甲への第一歩と考えてゆる体操をベースにやっていきましょう。
1.手首スリプラ(手首スリプラ体操) 1分
え?立甲でしょ?なんで手の体操がいるの?と思ったあなた。手首スリプラをなめてはいけません!だって肩ユッタリ回し体操だって先に肩をさするでしょう!だから手を柔らかく温かい状態にしておく事はゆる体操では基本的に重要なのです!
その1
まずは「気持ちよく」とつぶやきながら右手、左手、それぞれを使ってさすります
さすられている手、さすっている手が本当に気持ちいいかどうか、ちゃんと味わうようにしましょう。ご自分でやるときは時間は短くてもいいので「気持ちよく」を本当にきっちりとやってみてください。
その2
さすった後はプラプラさせて時ほぐれるようにゆるめていきます。
ブンブン振るのではなく、擬態語でいうと「プラプラ」という感じです。自分の手の動きを味わってみてください。本当にプラプラしていますか?
効果
手から手首を柔らかく解きほぐす効果がある体操です。うまくなればなるほど体幹に近いところもゆるんできます。また手は脳の支配領域が大きい部位なので手をゆるめることで全身に対してよい影響があります。
NG
寒い日にやるような、手をごしごしこすって摩擦を起こすようなやり方では手はゆるんでくれません。こするのではなく、さするという語感を大事にして行ってください。
「さすり」と「気持ちよく」はすべての体操に共通する基本中の基本です。しっかり取り組んでください。
2.肘クルン(肘クルン体操) 1分
立甲など肘を伸展する運動ではどうしても肘の外側に力が入りやすいです。肘を伸ばす筋肉(上腕三頭筋)は肘の外側にあるので当たり前と思うかもしれませんが、ここに無駄な力が入ると肩、背中が力んでしまって立甲が出来ません。肘クルン体操でよーく肘周りの力が抜けるようになりましょう
その1
まずは前腕から肘を気持ちよくさすります。
片方が終わったら、もう片方も気持ちよくさすりましょう。
この時も前腕から肘が本当に気持ちよく感じられるようにさするのがコツです。
その2
肘をクルンクルンと言いながら回します。
(右肘の回転方向は上から見て反時計回りです。)
肘をクルンクルン回して肘から前腕をよくゆるめましょう。
肘から先の前腕がタラーンと垂れている感じでするのがポイントです。
効果
前腕の回内・回外動作が滑らかになりますので立甲だけでなく腕を使う作業全般の能力が上がります。また前腕は指の深層筋があるので手自体の器用さも上がります。
NG
回転方向が逆回りになっている方もよくおられますので気を付けてください。また、やっている間に肩が力んで縦回転している場合もよくあります。あくまでもゆるんで行う事が大切です。
3.肩ユッタリ(肩ユッタリ回し体操) 2分
見た目よりも以外に難しい体操かもしれません。肩を回すという事は肩甲骨を動かすことになります。いよいよ直接肩甲骨に手を付ける段階です。気合を入れて?ゆるみましょう。
その1
肩をダラーっと下げて気持ちよくさすります。
反対側も同じように行ってください。
この体操ぐらいになるとさする時に肩甲骨が動かないと反対の肩をさすれませんよね。かといって無理に腕を伸ばすのではなく、力を抜いてさすっていたら自然に腕が届くようになっているのがよいです。その為には最初の左肩を少し下げて、という部分をおろそかにしないようにしましょう。左肩の力が抜ければ右肩の力も抜けます。
その2
肩を前から後ろにユッタリ回します。大事なことは僧帽筋の力を抜いて回すことです。少しでも締め付ける感じがあるとよくありません。どこまでも滑らかにやってください。もし力が入ってしまうときはあえて小さめに回すのもよいかもしれません。
足を前後にしてやるのもよい方法です。
効果
肩を大きくゆったりと回すことで自然と肩甲骨の可動域が広がってくる体操です。肩こり対策にも最適です。
NG
肩周り、特に僧帽筋に力が入ると肩幅が狭くなったような感じがします。逆にいうと肩幅が狭くなった感じがするときは僧帽筋に力が入っているという事ですね。また背中側が固いと後ろに回りにくいため必要以上に肘を曲げて後ろに引っ張るような動作になってしまいがちです。あくまでもゆるんで肩をユッタリと回す動きになるように気を付けてください。
4.肩甲モゾ(肩甲骨モゾモゾ体操) 2分
肩甲骨と肩甲骨の間をよくほぐしてから肩甲骨を閉じたり開いたりする体操です。肩甲骨の間がどうしてもわかりにくい方は丈夫な壁にもたれて背モゾをやって意識を高めてからやるのもよい方法です。
その1
肩甲骨をモゾモゾ、モゾモゾさせてときほぐれるようにゆるめます。
次に肩甲骨と肩甲骨の間をモゾモゾ、モゾモゾさせてときほぐれるようにゆるめていきます。
肩甲骨と肩甲骨の間の違いが分かりにくいかもしれませんが、自分なりに何とかやってみましょう。
その2
肩甲骨をススーと言いながら閉じたり開いたりしていきます。特に閉じるときは締め付けないようにすることと、ほかの体操でも同じですがススーと声に出しながらやるのがポイントです。
効果
モゾモゾ・ススーという語感を大事にして実際そのように感じられるようにできると、動きの質が変わり菱形筋などの中層筋に入ってきます。もちろん肩こりなどにも効果があります。
NG
肩甲骨は動きにくいので、つい肩や腕で引っ張ってしまうような動きになりがちです。肩・腕でリードするのではなく、肩甲骨そのものを動かすイメージでやってください。
5.プランおじぎ(腕プラーンおじぎ体操) 2分
楽しい動きの中で腕の伸展、背中・腰の力の抜き方を学べる体操です。四つ足よりも腕の負担が少なく、腕がプラーンプラーンと振れる事で背中の力が抜けやすくなります。
その1
まずは立った姿勢で腕を前後にプラーンプラーンと振ります。自分の腕が振り子のように感じられるとよいです。振り子のイメージがつかめない方は振り子か、振り子状のものを実際に振ってみるのもよいかもしれません。
その2
おしりを後ろに引きながら体を倒して膝休み背腰ダラー体操の態勢で腕を振ります。後ろの方が振りやすいのを確認してください。
そのあと起き上がって振った時も後ろに振りやすい感じがしたらうまくいっています。
効果
かがみながら腕を振ることで普段動かしにくい後方への可動域を無理をせずに広げる事が出来ます。またもも裏の意識を高める効果があります。
NG
背中・腰が丸くならないように気を付けてください。どうしても丸くなってしまう方は腕支え腰モゾモゾ体操や膝休み背腰ダラー体操をやってみるのもよい方法ですね。
かがんだ姿勢の時は支えている側の腕の肘が曲がらないように気を付けてください。
6.ゆるネコ(ゆるネコ体操) 2分
ゆる体操の中では珍しい四足の姿勢で行う体操です。腕や脚の力を抜いてストーンと抜けた姿勢で行えたらベストです。
その1
まずは四足の姿勢になって左右にモゾモゾクネクネしましょう。足先を少し浮かせて膝を視点にしてやるとやりやすいです。
その2
鼻から息を吸ってネコのように体を丸めます。
この時肋骨も引きあがっていますが肩甲骨は立っていることに注目してください。
そして息を吐きながら元の姿勢に戻ってください。これを何度か繰り返します。
この時肋骨と肩甲骨が十分にゆるんではがれていると肩甲骨が立ったまま肋骨が落ちていって自然に立甲ができたらラッキーですね。
効果
四足の姿勢になることで脚や背中の力を抜いて、さらに丸めたりすることで背中が柔らかくなります。ゆるネコ体操は本来立甲することを目的とはしていませんが、四足の姿勢の良い練習になります。写真2から1の姿勢に戻った時に肩甲骨が肋骨について行ってしまって肩甲骨が寝てしまう場合は甲腕一致の感覚が薄いか背中回りが固まっていて肩甲骨と肋骨が十分にはがれていない可能性があります。
NG
腹筋で無理に丸めるのではありません。背骨を柔らかくしならせて丸めるようにやって下さい。
以上で立甲へのゆる体操10分は終了です。まずは毎日続けてみて肩甲骨周りをよくゆるめて下さい。さらに立甲に至る具体的な技術を本格的に学びたい方は高岡先生の著書、「肩甲骨が立てばパフォーマンスが上がる」
※リンクを押すとアマゾンの該当ページに移動します
をご覧になるか、運動科学総合研究所の「立甲・甲腕一致初級」の講座にご参加下さい!
「立甲へのゆる体操10分」ついに動画配信開始!(2021年1月9日追記)