column article
妊婦さんのためのゆる体操10分
この記事は、こういう人のために書きました。
- 妊娠中の女性
- 妊娠後期に入ってくると、お腹が前にせり出してくる分、腰が反り、腰痛を引き起こすことがよくあります。また、足がむくんだり、こむらがえりを起こしやすくなります。 また、出産への不安のために気分がすぐれないことも起こりがちです。
- 出産後の女性
-
出産後は骨盤が安定しなかったり、骨盤底筋にダメージを受けていてその回復に時間がかかったりすることが多いですね。初めての出産なら、慣れない授乳などで肩から腕、首までコリコリになってつらいこともあるでしょう。
出産後はホルモンバランスが大きく変わりますので、気分が落ち着かない場合もあります。
- 骨盤底に何らかの問題がある人(尿もれなど)
- 年齢に関係なく、骨盤底筋が何らかの理由で弱ってたるんでしまっている場合です。症状が重いならお医者様にかかることが必要ですが、軽い症状の場合にはゆる体操がお役に立つことがよくあります。
今回のゆる体操10分メニューは、体をときほぐして柔らかくし、気持ちもユッタリと落ち着かせてくれるメニューです。
ゆる体操を行なう時のお願い項目
- 1.気楽にやる。無理をしない、がんばらない
- 2.指導員の動きを見ながら(このページの写真を見ながら)
- 3.声を出しながらやろう
- 4.自分の体を感じてみよう
- 5.毎日、自分で続けよう
1. 寝ゆる黄金の三点セット 合計6分
(三つの体操を各2分ずつ)
※こちらから詳しいやり方のページにつながります
全身をゆるめほぐし、疲労を取る体操のセットです。出産前後に多い、腰痛を軽くします。骨盤内の循環が良くなり、産後の回復を促します。腹部のインナーマッスルに効きますので、お腹が自然に引き締まります。また、足首のむくみやふくらはぎの張りをやわらげます。心身がリラックスし、良い睡眠が取れるようにもなります。
2. 手首スリプラ体操 (手首スリプラ)2分
手を柔らかくほぐす体操です。日々赤ちゃんを抱っこしたり、授乳したりするには、手が柔らかいことはとても大事ですよね。
また子育て中は手を頻繁に洗うので、手が荒れやすいものですが、この体操をするとびっくりするくらい手がスベスベ、しっとりしてきますよ。
写真では立ってやっていますが、椅子に座ってやってもかまいません。
その1
手から手首を「気持ちよく」とつぶやきながらさすります。右手、左手、それぞれを使ってさすりましょう。体を自然にゆらしながら行なうと、さらにゆるみやすくなりますよ。
その2
手首をプラプラさせてゆるめます。「プラプラ」とつぶやきながら行ないましょう。
効果
- 手から手首のコリを取る。
- 手が柔らかく、しなやかになる
- 手荒れしなくなる
- 手を使う動作全般の能力が向上する
- 脳機能が改善する
- 肩こりも良くなる
NG
- セカセカと忙しく手をさすると良くありません。ゆったりとした気分で、「気持ちよく」と言いながらやるとよくゆるんできます。
- 手をプラプラする時に、力が入ってしまうと、ひどい場合は手首を傷めてしまいます。力を抜いて、優しくプラプラしましょう。
3.息ハートロトロ体操 (息ハートロ)1分
息を体のいろんなところに気持ちよく吸って、とろけるような感じで吐くだけの簡単な呼吸法(息ゆる)です。簡単ですが、体の芯からほぐれてリラックスできます。画像では座ってやっていますが、仰向けでやっても大丈夫です。
椅子に座ります。できれば、背もたれに寄り掛からず、体の力を抜いて座りましょう。
鼻から息をいっぱい吸います。胴体の中に、息の張った感じのところが現れます。息を吐きながら、張ったところがトロトロにとろけるようなイメージでゆるめます。
次に胸、背中、お腹、腰、骨盤底の順番に息を吸い入れては、気持ちよくトロトロにとろけるように吐いてゆるめるという動作を繰り返します。
point
大抵の人は、腰に息を吸い入れるのは難しい感じがすると思いますけれども、無理をせずがんばらず、気持ちよくできる範囲で行ないましょう。だんだん上手くなっていきます。
point
実際に骨盤底に息が入るわけではありませんが、体の内圧が微妙に変化するため、感覚的に「息が入ってくる」と分かるはずです。
効果
- 体の中から気持ちよくゆるむ
- 呼吸が楽になる
- 緊張がとけ、心身ともにリラックスできる
- 副交感神経優位になる
- イライラや不安がおさまり、精神的に落ち着く
- 脳の情報処理能力が高まる
NG
- 息を力一杯バンバンに吸ってしまうと、ゆるみにくくなります。無理なく、気持ちの良い範囲でやりましょう。
4.股キュートロトロ体操 (股キュートロ) 1分
骨盤底筋を柔らかく引き締める効果が高い体操です。産後の骨盤底のダメージを優しく癒やします。また年齢にかかわらず、尿もれなどの不快な症状に効果が期待できます。仰向けでやってもOKです。
その1
骨盤底(股)を、キューと軽く絞るような感じで引き上げます。その状態のままで、息を吸い入れて行きます。股に向かって息を吸い入れていくイメージです。
point
骨盤底を軽く絞る感じが分かりにくかったら、トイレを我慢する時のようにキューと締めてみましょう。軽くやるのがコツです。
point
骨盤底を締めて引き上げた時に、股が「吊り上げられているような」感じでやるととても良いです。
その2
吸い入れた息が、引き上げた骨盤底(股)に当たる感じがしたら、ゆっくりと息を吐きながら、トロトロととろけるような感じで骨盤底をゆるめていきます。
その1・その2を3回繰り返します。
効果
- 骨盤底筋を柔らかく、無理なくトレーニングする
- 骨盤底付近の循環を良くする
- 尿もれ防止に役立つ
- 体を内部からゆるめ、リラックスさせる
- 集中力が自然に高まる
- 月経血コントロールの基礎トレーニングになる
NG
- 骨盤底をギュッと力を入れて締め上げると、腰回りや背中まで固くこわばってしまいますのでやめましょう。
5.まとめ
上にご紹介したゆる体操は思い立った時にどこででもできます。体に全く無理がない、優しい動きの体操ばかりです。予定日が近づいてきたら、テレビを見ながらのんびりと寝ゆる黄金の三点セットをやるのも良いですし、産婦人科の待合室の椅子で待っている間、ちょっと息ゆるをやるのも良いですよね。
産後の数ヶ月は、新しく母親になった女性にとって一番大変な時期です。体がつらくても、なかなかマッサージや整体に行ける時間がありません。そういう時、赤ちゃんが寝てくれている間、数分間でもいいですから、横になってこうしたゆる体操で体のセルフケアをしましょう。体操の後はリフレッシュできて、また元気に育児にとりくめることでしょう。
体がゆるめば、心も落ち着いてリラックスしてきます。産後のプチうつなどにもお役に立つことができるメニューです。どうぞやってみてください。
今回の記事は出産前後の女性のために書きましたが、実は年齢性別を問わずどなたにでも効くメニューです。男性もよろしければどうぞ。
教室でゆる体操を学びたい方はコンテンツページへ
ご自宅からゆる体操を学びたい方へ動画配信中(毎月5日配信)