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寝ゆるでもも裏を鍛えて、もも裏走りができるまでにどれ位かかりますか?ゆるポータル質問箱【第6回】
こんにちは。ゆるポータル神戸の中田ひろこです。ゆるポータル質問箱へのご投稿への回答を書きます。
Q1. もも裏を使えるようになるために、毎日「寝ゆる黄金の三点セット」をやっています。実際にもも裏走りができるようになるのにどの位の期間が必要ですか?
お答えします。
正直なところ、このご質問を読ませていただいた時に「う〜〜ん、寝ゆる黄金の三点セットだけで、という意味の質問なら、もも裏走りまでは時間がかかりすぎてしまうかなあ・・・上手くいって3年、5年?」と思ってしまいました。期待なさっていたような回答でなくてすみません。
実は寝ゆる黄金の三点セットで得られるもも裏の意識はデリケートなものであり、それだけでもも裏走り等に使えるになる程にまでは、なかなか強力に育ってこないものなのです。
ご質問者もご存じのように、寝ゆる黄金の三点セットは(この後、「三点セット」と略称で表記いたします)上手く脱力して出来ると腸腰筋を活性化します。腸腰筋のうち、大腰筋はもも裏の筋肉(ハムストリングス)と拮抗筋の関係にありますから、三点セットでもも裏が使えるようになるというのは正しい考え方です。とくに膝コゾは良いですね。
ただし現実問題として、三点セットのみのトレーニングによって目標となさっているもも裏走りや、もも裏を十分に生かした歩きをするには時間がかかりすぎ、結果的に目標達成は無理ではないかな、と私は思います。理由は次のとおりです。
三点セットは寝転んでやるので全身が比較的ゆるんだ状態で出来ますが、走りや歩きは負荷が大きいため、もも裏が利きにくいです。→三点セットを仰臥位でやっている時にはもも裏が利いていても、そのあと立ち上がるだけで全身のあちこちが固まり、もも裏が利きにくくなります。→そして歩くという移動運動になると負荷がぐっと大きくなるのでもも裏はもっと利きにくくなります。→さらに走るということになると、歩行よりも一層負荷が大きい運動ですから、せっかく三点セットで活性化したもも裏の意識もすぐに消えてしまいます。
三点セットで身につくもも裏の意識は、このように立って移動する運動の中では短時間で消えてしまうものなのです。
またそもそも、三点セットでもも裏が利くようになるには脱力がとても上手くできなければなりません。目安としては、膝コゾを始めた数秒後に全身が熱くなり、ブワーッと発汗するというレベルです。なかなかこういう人は居られないと思いますが、ご質問者がそういう人でしたら素晴らしいことです。
ご質問者がそうであってもなくても、かならずプラスになる、ぜひやっていただきたい体操をご提案したいと思います。
三点セットに加えて、もも裏を直接的に強力に刺激して意識を高める体操を行います。具体的には、片手ハムスリ、ハムスリの二つのゆる体操です。これでもも裏に良質の強い刺激が入って、裏転子が出来てきます。
裏転子はトレーニング後にわりとすぐに消えてしまうので、動画を見ながら正しい方法で日に何度も繰り返し取り組む必要があります。私は片手ハムスリは毎日数回やります。
欲を言えば、日本ゆる協会公認のゆる体操正指導員に直接指導を受けてください。上の動画では言っていない注意点も教えてもらえるはずです。
さらにその上で理想を言えば、スーパーウォーク歩道に取り組まれるのが良いです。ハムスリや片手ハムスリも良い方法ですが、静止して行う体操ですよね。以前はこれらのメソッドでスポーツ選手等への指導も行っていたのですが、現在はスーパーウォーク歩道という最高の方法があります。移動運動の最中でももも裏(裏転子)が利くようになりますので、もも裏走りの習得にも役立ちます。
スーパーウォーク歩道の全体像の無料動画はありませんが、サンプル動画をここに貼っておきます。有料のものを無理におすすめしているわけでは決してなく、もも裏を本当に使えるようになるための考えの道筋をここでお話したつもりですので、ご理解いただければ幸いです。
Q2. 運動総研の集中講座を受けてみたいのですが、たくさん種類があって迷ってしまいます。
お答えします。
たしかに年に6回の集中講座の期間に多数の講座が受講できますので、目移りして(笑)大変ですよね。お気持ちはとてもよくわかります。全講座を受講できれば良いのでしょうが、なかなか経済的にも時間的にもたいへんですから、普通はどれか1講座、あるいは2〜3講座を選択なさることになるのだろうと思います。
身近に、実際に受講した方がおられたら参考意見を聞かれるのは良いでしょう。もしあなたがゆる体操教室の生徒さんでしたら、先生に聞かれるのはとても良い方法です。
かならず初級講座を選んでください、というのが私の意見です。背伸びして中級や上級講座を選んでも内容についていけないと思います。運動科学のメソッドはどれも基礎的なものから順々に段階を経てレベルの高いものに上がっていけるようにできています。小学校の算数を履修しないのにいきなり高校の数学の授業に出ても理解できないですよね。それと同じだと思ってください。
それさえ押さえておけばあとはどれを選ぶかは自由ですが、ある程度のガイドラインをご提案したいと思います。
まずはご自分の体の気になることに応えてくれる講座を選ぶことです。
例をあげてみましょう。
腰まわりの固さが気になるようでしたら→『腰反り徹底解消法』『拘束腰芯赤ちゃん系』
球技に上達したいなら→『ベスト』『肩包体&肩包面』
慢性疲労をなんとかしたいなら→『脳疲労解消力アップ』
センターを身につけたいなら→『トップ・センター』
次に自分の興味と好奇心のままに選ぶ方法もあります。面白そうだから、受けてみる・・・!というやり方ですね。初級講座の中から選ぶ限り、それでも全然OKだと思います。
どれを選んでも全然OKというのにはちゃんと根拠があって、私たちの体は腰、腕、頭・・・というふうに各パーツが別々に存在しているのではなく繋がっているわけですから、実は腰まわりに問題があるのにかかわらず『ベスト』(肋骨まわりの緩解法)を選んだとしても、間接的に腰にも良い効果があります。運動科学的にも正しいことです。
それに関してすこし昔話になるのですけれども、以前、今のような映像講座ではなく、東京と大阪で生の講座が開催されていたころの話をしましょう。
高岡先生が「この講座に参加した目的はなんですか?」と質問をされることが一時期よくありました。受講生一人一人が答えるのですが、どの講座でも必ず一人二人は「今日しか時間が空いてなかったから(つまり、講座を選ぶ余地がなかった)」という人が居ました。それは無理もないことで、多忙な人や、遠方から受講する人にとってはまず時間を確保ことがむつかしい場合だっていくらでもありますからね。
そういう時には先生はにこやかに「それはいいですね〜」と応えられるのが常でした。
それは「時間を作ってとにかく参加するしよう。参加することに意義があるんだ」というその人の意欲を評価してのことだったのでしょう。
その一方で「どの講座を受けても体に総合的に効くし、役立つからそれで良いんですよ」という意味もあったろうと推察します。
例えば本当は『トップ・センター』を受講したかったのに、日程の関係で『脳疲労解消力アップ』と『細胞正常力アップ』を受けるしかなかった、という人がいるとします。しかし、実は脳疲労をスッキリ解消することは良いセンターを形成するのに不可欠です。また細胞の意識について学び、全身の細胞と自分の主体意識をつなげていかないと最も良いセンターは形成されません。ですからその人は仕方なくその2講座を選択するしかなかったとしても、実はちゃんと当初の「トップセンターを通す」目標に近づくわけです。
こうしたことが全ての講座に多かれ少なかれ当てはまります。
また、興味が湧くとか、惹かれるものがあるということは、受講の意欲をおおいにアップしますから、得られる効果も大きいと期待できます。そういう講座があればぜひ受講を検討してください。
ですので、まずは気楽に選んでみてくださいね。受講を楽しまれることを期待しています。
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