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なぜ体の不調がゆる体操で改善されるのか
みなさんこんにちは。ゆる体操やっていますか?
さて、ゆる体操の代表的な効果として「腰痛や肩こりをはじめとした体の不調が改善される」というのはみなさんご存知だと思います。
「え?知らなかった・・・」という方は以下の記事も是非ご覧になってください。
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ゆる体操には全身のさまざまな部位の慢性的なコリを改善する効果があるからなのですが、今日はそのことについてわかりやすくお話しさせていただければと思います。
痛みもコリも固まっているのが原因
普段から慢性的なコリや痛みに悩まされている方は多いと思いますが、そのほとんどの場合が筋肉や関節の痛みでしょう。
こういう場合、実は痛みもコリも原因は同じで、主に疲労などでその部位が固まっているために起こる症状です。
要するにその部位がカチカチに固まると「コリ」として感じるようになり、そのコリもあんまりひどくなると痛みになるということですね。
ただ、実は体の部位の不調を感じる能力も人によってそれぞれですから、固まっている、こっている事自体がわかりにくい部位も多いです。
腰がこっていると言われても痛みや張りがないと自覚がない人も多いですし、膝などもほぼ全ての人がこっていますが、痛みがない時点でそれを自覚できる人はほぼいないですよね。
ですがむしろ現代人は全身コリだらけと言ってもいいぐらいで、10代後半にもなると筋肉や関節はどこもかしこもこっているのですが、それを意識することすら普通はできません。
現代人がコリの段階で気づくことができる部位は「肩こり」ぐらいでしょう。
コリは万病のもと
全身がこっていると何が起こるのでしょう?
コリというのは不必要に筋肉が緊張し続けている状態です。
要するに無駄な力が入りっぱなしになっているということです。
例えば膝の関節周りに無駄な力が入りっぱなしになっているとどうなるでしょうか?
力が入りっぱなしということは、関節が常に締めつけられ圧迫されているということです。
通常の状態が締めつけられた状態になってしまっていて、その状態で曲げたり伸ばしたりさせられるわけですから、間にある半月板等の比較的やわらかい組織は段々すり減っていくのです。
これは他の関節でも全く一緒で、背骨の間で同じことが起こると椎間板がすり減っていきます。
背骨、特に首と腰に関しては、無駄な力が入ることで椎間板を押し出すような力がかかり、悪くなるとヘルニアの原因になってしまいます。
また、無駄な力がかかると、骨にかかる体重や圧力のバランスが変化します。つまり理想的に関節面の中心に重みが乗らないようになってきます。
骨には圧力センサーがあって、圧力がかかるところは代謝を促進させるような働きがありますが、おかしなところに圧がかかるとそこの骨が余分に成長してしまいます。
それが進むと”棘”のような、余分な骨ができてしまうのです。これを「骨棘(こつきょく)」と言いますが、場合によってはその骨棘がまわりの組織を圧迫したりします。
これは靭帯でも同じことで、余分な刺激が加わると場合によっては補強しようとしてその部分が固く分厚くなります。
こういうある意味「イレギュラーな成長」はたいていろくなことがなく、余分にできた骨にしても体を支える強度があるわけではありませんし、靭帯にしても分厚くなってもしなやかさはないですし、むしろそばにある他の組織の邪魔になったりします。特に神経の通り道を圧迫すると、いわゆる狭窄症になったりします。
運動科学では内臓でも圧迫が様々な不調を引き起こすと考えていますので、結局のところ「コリは万病のもと」と言えるのです。
圧迫のない体
上に述べたように現代人は全身が凝っているので、全身が締め付けられ、圧迫されています。
しかし、生物はそもそも圧迫がない状態で生まれてきます。ですから圧迫がない状態の方が普通で、生物におけるさまざまな生命活動は圧迫が全くない状態がベースで出来ていると言えるでしょう。
では関節が圧迫されていない状態とはどんな状態なのでしょうか?
全く締め付けがない状態の関節はピタッと中心が取れていながら、隙間だらけなのでフワフワフワフワ、ゆらゆらゆらゆらした状態です。
ちょうど赤ちゃんが立っている時のような、あんな状態なのです。
「関節の隙間なんて感じられない」
と思われる方は注意しましょう。
スポーツによる負荷や、経年変化による「変形性関節症」で隙間がほぼ無くなってしまっている場合も実際にありますが、普通はある程度隙間はあるものです。
その隙間がわからなくなってしまうのはまわりの筋肉や靭帯ごと固まってしまっているからです。
このようにイレギュラーに骨格や靭帯が変化することを医学用語では「経年変化」と言います。一般の感覚で言うと老化ですが、スポーツなど体を激しく使う分野では若くしてこのような変化が起こりますし、年を取っても綺麗な骨格、関節の方もおられるので必ずしも経年変化=老化ではないと思いますが、こういった変化はないほうがよい訳ですから経年変化のことを老化といった方が危機感が出るので良いと思います。
実際に運動科学では年齢に関係なく体が固まって出た症状を経年変化も含めて老化と言います。
いわゆる経年変化と言われるような変化は、背骨の場合たいてい次のような順を辿ります。
- 背骨周りに無駄な力が入る
- 関節の間に負荷がかかり、椎間板がすり減る
- 更に進むと余分な骨、骨棘ができ始める
- 更に進んで椎間板の隙間がなくなると背骨同士が骨棘を通じて連結し始める
ヘルニアや狭窄症などの症状のもこれらの過程で起こってくると考えて良いと思います。
これらの症状の原因の全てが無駄な力が入っていることによるものとは言えませんが、少なくともの原因のかなりの部分を占めていることは確かでしょう。
要するに経年変化は「無駄な力があちこちに入ることで起こる」といってもいいでしょう。
このように体の一部分が長年圧迫され続けると、その部分は必ず不調を訴えるようになります。
これは機械や建築物でも全く同じ理屈で、ズレや歪み、圧迫された部分がある機会はそこから傷んで壊れてしまいます。そのように考えるとみなさんわかりやすのではないかと思います。
ゆる体操は痛みやコリの予防、緩和に最適
経年変化は背骨でなくてもおおむね上のような順をたどります。
現在の医学(整形外科)では、2から4の部分を診ることはできますし、手術や薬も発達しそれに対する治療も増え、さまざまな選択肢もありますが、その理由が実は1であることについてはまだ共通の認識にはなっていません。
狭窄症やヘルニア等のつらい神経痛の症状(正確には神経障害性疼痛と言います)に悩まされる人でも、その症状が出るはるか以前からその神経を圧迫するような姿勢の「癖」があった訳です。
ゆる体操に含まれる揺動緩解運動や擦動緩解運動は優しくさすったりゆらしたりしながら筋肉をゆるめほぐし、締め付けられている関節の隙間を開いて本来の人間の姿に戻してくれる効果があります。
現代人はハイティーンにもなるともうあちこち力が入ったような姿勢になってしまっていますが、若い頃からその事実を認識して、日頃からゆる体操をやっていれば、筋肉や関節に深刻な問題がないならば経年変化による症状を予防できると思います。
むしろ体をゆるめて各関節や骨の中心にしっかりと重みが乗るようになると、多少の問題はカバーできるはずです。
実際にゆる体操を考案された高岡英夫先生は、膝や股関節の靭帯を損傷している事を公表されていますし、私の友人も足関節に隙間はないし、膝の半月板もないし、背骨は骨棘だらけなのに私よりゆるんでいる人もいるぐらいです。
上のような事実から、まずは予防が重要になるにしても、ゆる体操で様々な症状を解決・緩和することは可能だと思います。
ですので遠慮なくみんながゆる体操をやるべきだと私は思っています。
健康に勝る幸福はありませんからね。
痛み・コリのつらい症状に効く!部位別お手軽ゆる体操10選
- 背中・腰 寝ゆる黄金の3点セット
- 股関節・膝 腿ユッタリ、踵クル
- 肩・腕 肩ユッタリ、腕プラーン
- 首 首ゴロ、首ゴローリ
- センターを通す センタースパー
背中・腰をゆるめるゆる体操
定番の寝ゆる黄金の3点セットです。実は背中・腰だけでなく全身をゆるめる効果がありますので、お忙しい方はこれだけでも十分効果があると思います。また他の体操の準備運動にもなりますよ。
股関節・膝をゆるめるゆる体操
腿ユッタリも踵クルも股関節を動かす体操ですが、股関節が滑らかに動くようになると膝の負担が減り、また膝の関節の向きが自然と良くなってきますので膝関節にも良い体操なのです。
肩をゆるめるゆる体操
肩ユッタリも腕プランも肩甲骨まわりまでゆるめる効果があります。特に肩ユッタリは椅子に座ったままでもできるので仕事中でも肩が凝った時に出るので重宝しますよね。
首をゆるめるゆる体操
後脳ゴロは首だけでなく脳や眼の調整をしてくれる体操でもあります。また首ゴローリは上半身の背骨を強力にゆるめる効果があります。
センターを通すゆる体操
全身のバランスを整えないと結局すぐに身体は固まりますから、センタースパーでセンターを通しておくのも重要ですね。
コリや痛みの症状が出やすい代表的な部位に対しては2つ以上の体操を選びました。
一つ一つは短いので日常の合間にやっていただいても良いですし、全部やっても30分もかかりませんので毎日の日課にしても良いですね。
今、健康のために何かのメソッドに取り組んでいる方でも、日常の隙間時間に1分とか2分とかやっていただければ、必ず効果が出ると思います。
皆様の健康維持のため、ぜひゆる体操を役立ててください。
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