これは特に高度能力開発メソッドとして、ゆる体操に取り組んでおられる方によく見られる現象です。
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目的別、ゆる体操の取り組み方
こんにちは、ゆるマニアの中田了平です。
突然ですが、皆さんが初めてゆる体操と出会うのはどんなシチュエーションでしょうか?
おそらくはカルチャーセンターや指導員の自営の教室で、と言う形が多いのではないでしょうか。
私は現在奈良県の整形外科でリハビリの一環としてゆる体操を指導しているので、そこに来られる患者さんたちは、自分が体操をするというシチュエーションすら予想しない状況でゆる体操と出会うことになります。
その中で
「この体操は1日の中でどのように取り組めば良いのですか?」
という質問を受けることがあります。
私はそれに対して以前は、
「いつでもどこでもできる簡単な体操ですから、好きな時にやっていただいていいですよ」
とお答えしていましたが、そう言うと気づいた時にだけやると言う形になってしまいます。結果どの程度やれるかは完全にその人の生活習慣、モチベーションに左右されてしまい、こちらとしては効果がコントロールしにくくなることもあります。
ですので最近はその人の雰囲気や仕事、生活のパターンを考慮してできるだけ具体的に言うようにしています。
では実際にどういう時にすれば良いのでしょうか?
このサイト、「ゆるポータル神戸」では、動画も販売していて、遠方の方もご購入していただいていますから、今日は普段ゆる体操指導員と話す機会がない方のために、ある程度のパターンを想定してお話しさせていただきたいと思います。
もちろん普段教室に通っている方にも参考になると思いますよ。
ー目次ー
1.肩こり、腰痛など辛い症状の改善を目的にゆる体操に取り組んでいる方
体にどこか辛い箇所があって、それの解消を目的にゆる体操に取り組んでいる方はたくさんおられると思います。
私も腰痛がありますので、そのタイプと言えるでしょう。
さて、このタイプの方は実は日常の中でそのような痛みが起こるような生活をしている場合が多いです。
例えば肩こりですが、肩こりを持っている人は普段パソコンを仕事にしているとか、スマホをよくさわっているとか、肩こりをおこすような生活習慣になっている場合が多いのです。
腰痛や膝痛も同じです。
かがんだりする姿勢が多い仕事の人は腰痛をおこしやすいですし、段差を上り下りすることが多いような仕事の場合は当然膝をよく使うので膝痛をおこしやすいのです。
ですから、仕事でそう言ったことが思い当たる人は1日の疲れを家に帰ってからしっかりととっておく必要があります。
それには夜にある程度まとまった時間をとってゆる体操に取り組むのが良いと思います。
最低でも15分、できれば30分は欲しいですね。
何かをしながらやる、「ながらゆる」でも良いので意識して体の疲労を取る時間を作りましょう。
また、同じように体に辛い箇所があるのに、日常でそこに負担をかけるようなことをしている覚えがない、と言う方もおられると思います。
例えば、主婦で、他の人と比べて生活に大した違いがないのに膝痛を抱えている方、PC作業中心でも肩こりはないが腰痛がある、といった方々です。
こういった方々は、普段の生活でその体の部位に対して必要以上の負荷をかける姿勢や癖をお持ちの場合が多いです。
こういう癖は子供のころから少しずつついてくるものです。ですので自分では気づきません。ですから、コリや痛みとなって出ているのは体が
「もうこれ以上は限界だー」
と訴えている、いわば改善するチャンスと言えます。
癖ですんでいる間はまだ良いのですが、体の声を無視してその状態を続けていると、症状が進んで医師の世話にならなければいけない可能性もありますので、軽い間に改善することが大切です。
これも結局は癖によってその部位の疲労をため込んでいる状態なので、仕事による使い痛みと同じように家に帰ってからしっかりと疲労を取るようにしましょう。
そしてもし家で夜にやってもなかなか症状がおさまらないと言う方は、仕事の合間にやることをお勧めします。うまくやれば周りの人に気づかれないでできますし、そもそも、あらかじめ仕事の仲間に了解をとっておいて(モゾモゾする動きは気になる人には気になりますからね)、時々やるようにするのが良いです。
この時に注意したいのは、仕事中は結局仕事に集中しているので、肩こりなら肩こりの症状が強くなってからようやくやりだす、という場合が多いと言うことです。
コリが強い状態になってからやっても簡単に疲労は取れません。ですから1時間おきとか30分おきとか、意識して時間をとってやるようにして下さい。その方が体調をキープできるので結局のところ仕事の効率は良くなります。
さてここで各症状に対しておすすめの体操をご紹介しておきます。
腰痛をお持ちの方
寝ゆる黄金の3点セットがおすすめです。
ゆるポータル神戸ではYouTubeに10分間の動画をあげているので、まずはそれをやっていただいて、その後にご自分の好きな体操をやられるのが良いと思います。
仕事中にするなら坐骨モゾモゾ座りや休憩をとって壁もたれ腰モゾモゾ体操をするのがお勧めですね。
肩こりをお持ちの方
腕プラーンおじぎ体操、肩ユッタリ回し体操、肩甲骨モゾモゾ体操あたりがおすすめです。
首まで辛いと言う方は加えて背もたれ首モゾモゾ体操など首系の体操をやられると良いでしょう。
膝痛をお持ちの方
太腿ユッタリ開閉体操や、足が組める方は寝ゆる黄金の3点セットからすねプラプラ体操、または全身スリスリ体操から下半身の部分をやったりするのがおすすめです。
ふくらはぎや足まわりに疲れがあるという方
踵クルクル体操、太腿ユッタリ開閉体操、そして足足系と言われる足首クロス体操、足足スリスリ体操が良いでしょう。
そしてどの部位にも当てはまりますが、つらい部位をよくさすることは非常に重要です。さすることで血行がよくなり、症状を緩和することができます。
2.特に気になる部位はないが健康維持のためにゆる体操に取り組んでいる方
別に辛い部位や痛い部位はないけど健康維持の手段としてゆる体操に取り組んでいるという方もおられるでしょう。こういう方は毎日食後やお風呂上がり、寝る前などに20〜30分、そして休みの日にはそれ以上の時間、じっくりとゆる体操に取り組むのが良いと思います。
健康維持といっても、結局それは慢性的な疲労を取ることと同じです。
「私は慢性疲労などない」
と言われる方は仰向けに寝た状態で自分の太ももの横側をさわってみましょう。きっと他の部位よりも硬くなっていると思います。
例えば太腿でも前側は仰向けに寝ると柔らかくなりますが、横側は仰向けだろうがうつ伏せだろうがなかなか柔らかくなりません。
この部位は元々固いということもありますが、要するに力を抜いているつもりでも力が抜けないというぐらい、ものすごく疲労が溜まっているところなのです。
このように人は大人になると、全く疲労が溜まっていない箇所などないと思っていていただいても良いと思います。
このように、からだをゆるめ、疲労を取るということは健康を維持するということにおいて誰にとっても意味のあることなので、特に体の中で悪い部分がないという方にとってもゆる体操をやることは非常に価値のあるものなのです。
このことに関して専門的に詳しく知りたい方は、高岡先生の著書「超最強の疲労回復法」をご覧になると良いと思います。
さて、健康維持のためにおすすめのゆる体操ですが、まずはゆるポータル神戸のyoutube動画の中から、初級レッスン動画をやってみて下さい。45分程度あるので何回かに分けてご覧になっても良いと思います。
そしてこの中でご自分の好きな体操をいくつかピックアップしていただいて、しばらくそれに取り組むという形が良いと思います。
好きになる体操があるということは、その体操で求められている効果がよく感じられているということです。また、そういう体操はやって気持ちいいはずなので長続きします。
もし何が自分にとって良いのかよくわからないという方は、寝ゆる黄金の3点セットと息ゆるをゆるポータル神戸のYouTubeの動画を見ながらやっていただくと20分程度になります。
息ゆるはリラクゼーションを深め、さらに内臓の機能を高める効果がありますので、誰にとってもおすすめの体操なのです。
3.スポーツのパフォーマンスアップに役立てたいという方
ゆる体操をスポーツのパフォーマンスアップに役立てたいという方は、上で述べた1と2の両方の考え方が必要です。
1で述べたような肩こり、腰痛といった辛い部位がなくても、肩や腰のパフォーマンスを上げるために肩や腰のゆる体操をするのですね。
とはいっても専門種目をやりながらゆる体操に取り組むのはなかなか大変なことです。
ですので、まずは自分の専門種目、ポジションで特に重要とされる部位の体操からよくやってみてはいかがでしょうか。よくわからないという方はコーチから指摘された部分のゆる体操に取り組むのが良いでしょう。
サッカーならとりあえず足まわりがゆるんでいる方が良いでしょうから、先に述べた足まわりの体操をやってみる、またゴルフでコーチに股関節が硬いと言われたら、股関節まわりの代表的な体操である太ももユッタリ開閉体操をやってみる、といった具合です。
そして、練習中、試合中はゆる体操をじっくりやる事はできませんから、理想的には数秒以内で効果が出せるようになるまで家でよくやりこんでおくのが良いでしょう。
またスポーツをやる方は疲労をためては絶対にいけませんから、2で述べたように疲労回復のためのゆる体操は絶対に必要です。
近年疲労とパフォーマンスの関係は科学的な研究が進んでいますが、日本ではいまだに根性論がまかり通っていることが多い気がします。根性というものは出せば出すほど体に対する感受性が鈍るので、疲労に対する感受性とはオフセットの関係にありますから、一時的に頑張りがきいても長期的に見ればなんの効果もないといっていいので、よほど大事な試合で最後の切り札に使う(これすらあまりお勧めしませんが)のが良いでしょう。
これは緩解性意識集中と緊張性意識集中という運動科学の概念で説明できますが、もしこの点にご興味がある方は、以下の記事もぜひご覧になってください。
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そして疲労は寝たら回復するというものではありません。10代のうちは回復力そのものが高いので寝たら回復する感じがしますが、大人になるとそれは甘い幻想だと気づきます(笑)
ですから家に帰ったら必ず寝ゆる黄金の3点セットをできれば30分以上はやって、全身の疲労をとるようにして下さい。
まとめ
- ・肩こり、腰痛など辛い部位の解消には寝る前に15分から30分。それでも症状がおさまらない場合は仕事中に時間を作って体操をする
- ・慢性的な疲労の解消や、健康維持に役立てたい方は寝る前に20〜30分。できれば息ゆるがお勧め。休みの日はそれ以上の時間じっくりと取り組む。
- ・スポーツのパフォーマンスアップに取り入れる場合は数秒で効果を出せるようになるまでやりこむ。また、疲労をためないように帰宅後はじっくり寝ゆる黄金の3点セットを毎日やる。
今回の記事であげた体操以外にも、各パーツ体操はゆるポータル神戸のYouTubeチャンネルにたくさんあります。
また、何か疑問質問があれば、この記事の下にある「ゆるポータル質問箱」から是非ご質問ください。すぐに答えることはできないかもしれませんが、ブログの中でできる限りお答えさせていただきたいと思います。
どうぞ皆さん、ゆる体操で良い人生を歩んでください。
ゆるポータル神戸YouTubeチャンネル
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