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BOOK CLUB YURU.1『高岡式 超最強の疲労回復法』

ゆるポータル神戸の連載「BOOK CLUB YURU」の第一回は、高岡英夫先生の最新書籍『高岡式 超最強疲労回復法』(カンゼン、2020年6月)です。この本は名著でロングセラーの『究極の身体』(講談社、2009年8月)を総論とする、3冊目の各論編です。(※1) この本が出版されて1ヶ月余りが経ちました。皆さんの中にも既に読まれた方がきっとおられるでしょう。今回は、ゆる体操のインストラクターとして私がこの本をどう読み、どう活かしているかということを書いてみようと思います。

ゆるプラクティス関連の書籍は多数ある

1.疲労回復と高能力は同じメソッドで達成可能!

この本の内容を理解するには下のグラフの意味するところを把握することが大事です。

大まかにご案内すると、X軸に添ってグラフの左の方は「強疲労状態」、真ん中あたりは「中疲労・中能力状態」、右の方は「低疲労・高能力状態」をそれぞれ意味します。またY軸に添ってグラフの下の方はパフォーマンスが低い(能力が発揮されていない)状態、上の方はパフォーマンスが高い(高能力)状態を表します。
そして左下から右上に走っている斜線は、疲労が強ければ強いほど、その人の能力は低下し、疲労の度合いが低ければ低いほど、能力が向上するということを表しています。
そしてそれぞれの状態の場合に適したゆるプラクティス(体操法、呼吸法、脳疲労回復法)が数多く紹介されているわけですが、この本の画期的なところは、左下の「強疲労状態」から右上の「低疲労・高能力状態」までの上昇を、同じ一つの体操法なら体操法、呼吸法なら呼吸法を使い、そのやり方を少しずつレベルアップすることで達成してしまえる、という理論にあります。普通は疲労を取る方法と、能力を高める方法は全く違うことが多いですよね。例えば疲労を取るには入浴やマッサージ、サプリなどを用い、能力を高めるには、スポーツ選手ならストレッチや筋トレを実践するのが一般的ではないでしょうか。この本に提唱されているのは、同じ方法で疲労回復と能力向上をやってしまおうということです。
なお、誤解が無いように申し上げると、ここでいう「高能力」とは、全身にコリや無駄な力みなどがなく、筋肉や関節の調子が良く、内臓や脳の活動も良好という、いろいろな活動の最も基礎になる能力のことを言います。これをゆるプラクティスでは「本質力」とも呼びます。一方、各人の専門分野に必要な技術等は、「具体力」と呼びます。その人の能力はこの本質力と具体力を掛け合わせたものになりますが、ここではこの点については深く述べず、別の機会にゆずりたいと思います。
私自身を例にとると、ゆる体操を始める以前(約16年前)は、間違いなくグラフの左の方にいました。いつも強い疲労があり、そのために頭脳の働きも、体の運動能力も発揮できずにいました。現在は調子の悪い時で真ん中のエリア、通常は右寄りのエリアのどこかに居るという感じでしょうか。記憶力などは20年前よりむしろ良いくらいだと思いますし、こうした数千字のブログを週に2本書くということもできるようになりました。仕事は以前よりずっと忙しくしておりますが、たいして疲れないですし、すぐに回復します。これはグラフの右上方向にだんだん進んで来たことの証明です。
さて皆さんはいかがでしょう。ご自分は大体どの辺に居られるでしょうか。このグラフの見方に慣れてくると、「先週はちょっと疲れていたからこの辺りだけど、今日は調子いいからだいぶ右上よりだな」等と使えるようになって来ますよ。

2.裏メカ・裏テクが満載

上に、「同じ体操法や呼吸法を、やり方を少しずつレベルアップしながら」と書きましたが、これを、ゆる体操の用語で「裏メカ・裏テクを使う」と言います。この本に様々に紹介されている体操法、呼吸法、脳疲労回復法は、実はほとんどが(株)運動科学総合研究所が開催する高岡先生の直接指導講座の内容が基になっており、「裏メカ・裏テク」情報が満載です。ですからハッキリ言って大変お得な本です。多くの直接指導講座に参加歴のある私のような人間からすると、「えーっ、ここまで書かれているのね」とちょっと驚いたりします。
この本で一番詳しく指導されているのが第2章『超最強高能力疲労回復法の方法論』(p.125)にある「下腿膝擦法」(どんなメソッドなのかはご自分で本を見てください。よく知っておられるゆる体操かもしれませんよ)で、複数の裏メカ・裏テクが丁寧に、細かな注意事項も含めて解説されています。
この一週間ほど私がハマって毎日やっているのが、この下腿膝擦法の最高レベル、「さらに高能力状態を進めていく方法」(p.156)です。これは骨膜に効かせていく方法ですが、左右を替えてじっくり10分間ほどやってから立ち上がると、まるで自分がピカーッとシルバー色に光る優秀なサイボーグになった感覚がします。くたくたに疲れた状態から始めても、一気に全身的に回復するのが素晴らしいです。
実は数年前にこの方法を含む内容の講座に参加したことがありますので、本にはないテクニックも少し知っており、思い出しながら駆使したので、かなりハイレベルの効果を得ています。参加歴のない人には申し訳ないようですが、対面で指導を受けるとやはり一味も二味も違うということを一応お伝えしておきますね。しかし、文字情報が主体とはいえ講座情報のエッセンスが伝えられていますので、きちんとやれば誰でも講座に参加するのに近い効果が得られるものと信じます。
ただし、初心の方はいきなりそういう高いレベルから始めず、p.131の「ダラ〜と脱力しながら下腿膝擦法」を読んでまずやってみてください。最初のレベルで慣れて来たら、一つ上のレベル、という風に少しずつ段階を追って実践されることをおすすめします。易しいものから徐々に積み重ねていくことにより、だんだんと疲労がとれ、中疲労から低疲労になってくると、同時に能力が上がって来ます。(※2
話が少し本題から逸れましたが、この下腿膝擦法以外にも多くのメソッドが懇切丁寧に図入りで解説されています。私自身もまだ全てをやっていないし、まだ当分の間はできないでしょう。数が多いからというだけでなく、一つ一つの方法が魅力があって、取り組めば取り組むほどに面白くなってくるので、次から次へと違うものへ移って行きたいと思わなくなってくるからなのですね。こういう感じは私だけではないと思います。
これらのメソッドはどれももちろん家トレに最適です!

高岡式 超最強の疲労回復法

※リンクを押すとアマゾンの該当ページに移動します

3.全身疲労の回復には○○○の活動性を上げる

私はゆる体操を始めた16年前までは強度の胃下垂でいつもお腹の調子が悪く、前かがみで腹部を守るような悪い姿勢でした。けれども今や初対面の人からでも「とても姿勢がいいですね、何をやっておられるのですか?」と質問が来るほど体が真っ直ぐに立って良い姿勢になりました。また体幹全体がしっかりして堂々とした雰囲気が出て来ました。私だけでなく、長くゆるプラクティスをやっている人たちに同様の変化が起こった例を今まで数多くみています。
その理由を今までは、「ゆるプラクティスが全身的に色々と効いているからだろう」という、やや漠然とした捉え方をしていたのですが、このたび第3章『呼吸法による超最強高能力疲労回復法』(p.170)を読んでからは、以前の私にもこの○○○の強い疲労があったに違いないことと、その疲労が特に「息ゆる」と「ゆる呼吸法」であらかた取り去られ、さらに磨きをかけて鍛えられたからなのだということを確信しました。
息ゆるや呼吸法というのは、つまり体幹内の体操法のことです。体操、運動、スポーツというとアクティブに手足を動かすイメージがありますが、実は昨今、超一流のアスリートは呼吸法を取り入れてトレーニングしています体幹内のインナーマッスル群をしっかり使う呼吸法で体幹の中の深部の疲労をとり、高能力につなげていきます。漫画『フットボールネーション』単行本第14集にも呼吸法のことが描かれていました。
この本を読んでからというもの、教室で最近は○○○を大きく使う「お腹ペコポコペコー体操」と「全内臓呼吸」を以前にも増してしっかりとご指導するようになりました。会員さん方には、一人残らずピカピカの低疲労・高能力状態になっていただきたいですからね!

4.時間を空けて何度か読むと良い

この本は大変に情報量が多く、内容が濃いですが、文体は易しくて中高生でも十分に分かるレベルです。ただし紹介されている理論や概念が他に無い、最先端のものであることと多くの情報が縦横無尽に展開されていますので、一読しただけでは全体が掴みにくいかも知れません。
でも、全部を一気に頭で理解しようとしなくても大丈夫です。と申しますのも、基本的にメソッドの実習を主とする本だからです。そしてメソッドは全てをやらなくても大丈夫です。ご自分が興味を惹かれるものをどれか、一つでも二つでも、じっくり取り組むと全身への効果が必ずありますので、リラックスしてご自分の好きなものをおやりになればと思います。これはゆるプラクティス全般に言えることです。またこれからやってみようという方の職業や専門分野は違っていても、「メソッドの数は一度に欲張らず、好きなものをじっくり毎日」取り組まれるのが良いのに変わりはありません。楽しんで取り組んでみてください。
そしてある程度の時間をおいてから再読すると、すでに自分の体が開発され、体の感覚を通じて本の内容がよりよく理解できるようになっていますので、「あれ、ここにこんないいこと書いてあったっけ?」という嬉しい発見があるものです。そしてまた何週間後か何ヶ月後かに読んでみると、また何らかの新しい気づきがあることでしょう。この『高岡式 超最強の疲労回復法』はそういう本です。
私も大好きで、これからいつも手元に置いて長く大事に付き合って行きたい本の一つです。超最強、超おすすめの一冊です!

この本に登場する「下腿膝擦法」「腰仙揉溶法」「仰臥呼吸体操法」「後脳回軸法」「後脳口路法」のゆる体操バージョン、また「坐骨モゾ」を学びたい人は、ゆる体操初級、ゆる体操中級クラスへ

  • ※1)各論の1冊目は『肩甲骨が立てば、パフォーマンスは上がる!』(カンゼン、2018年5月)、2冊目は『キレッキレ股関節でパフォーマンスは上がる!』(カンゼン、2019年6月)。
  • ※2)ゆる体操をはじめとするゆるプラクティスは全て、基礎からの積み重ねを大切にしていますので、「初級」「中級」というレベル別があります。ゆるポータル神戸でも「ゆる体操初級」と「ゆる体操中級」の二つのレベルがあるのはそのためです。
究極の身体
肩甲骨が立てば、
パフォーマンスは上がる!
キレッキレ股関節で
パフォーマンスは上がる!

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