全ての分野の上達の鍵となる「本質力」分かりやすく解説します。
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達人調整を受けていただいた感想について
こんにちは。ゆるポータル神戸達人調整師の中田了平です。
達人調整を仕事にしていると様々な方から施術後の体の変化についてご感想を頂きますが、今回は実際に私がお伺いした感想をもとに「何故そのようなことが起こるのか?」ということを私の経験に基づいてお話しさせていただきたいと思います。
大きな内容としては
- 背が伸びた、足が伸びた等の「伸びた」系
- 体が温かくなった等の「ホカホカ」系
- 専門種目でのキレがでた等の「運動ヤバい」系
- 疲労が取れた等の「体スッキリ」系
などがあります。
では一つ一つみていきましょう。
「伸びた」系
達人調整で体が伸びたと言うご感想は割とスタンダードなものです。
どうして体が伸びるのかと言うと、関節と関節の隙間が広がるからです。
実は元々、人間の体の関節というものは本来隙間が開くようにできています。
私など専門的なトレーニングを積んでいる人間が立ったばかりの赤ちゃんを見ると、ほぼ全ての赤ちゃんは関節の隙間が開いているのがわかります。
立ったばかりの赤ちゃんは体のクセがほとんどないので、それが本来の人間の立ち方と言っていいと思うのですが、立ったばっかりの赤ちゃん達の関節の隙間が開いているということは、本来の人間の関節は開いている、というのが正しい考え方なのだと思います。
いわゆる「デフォルトの状態」がそうであるということですね。
しかしほとんどの方々の実感としてはそのような感じはないと思います。それはなぜかというと、ほとんどの大人は体が固まって筋肉や靭帯が縮んでしまっているので、関節の隙間もそれに伴って縮んでしまうのですね。
私は整形外科に勤めているので、たくさんの人のレントゲン写真を見る機会があるのですが、老化による経年変化によって椎間や関節の隙間が減ってきて、最終的には骨同士が連結し始める、といった現象は珍しくありません。
それほど人間の関節は経年変化によって拘縮し、本来の機能を失ってしまうものなのです。
それが達人調整を施すと、自分が普段意識していなかった関節の隙間もゆるんでくるので
「あれ、足が長くなった感じがする?」
とか
「背が高くなった感じがします」
という感想になるのです。
ちなみに骨盤まわりの中臀筋の拘束が取れると「足が長くなった」感じ、背骨周りの拘束が取れると「背が伸びた」感じに思われる方が多いようですね。
中臀筋の拘束が取れるとそれに伴って腸腰筋が働きだしますし、背骨まわりの拘束が取れると当然背骨の隙間が開くのでそう感じられるのだと思います。
関節の隙が開いているのがデフォルトの状態と言えるのはなぜ?
なぜ関節の隙間が開いていることがデフォルトと言えるのかご説明します。
体を支える構造のメインは骨ですが、筋肉はそれを補助するような働きをしています。 筋肉の中でも重力に抗して体を支える役割を持つものを「抗重力筋」と言いますが、抗重力筋は概ね重力の方向に従って体に対して鉛直方向についています。
鉛直方向についているので、立位の状態になると、何もしなくても筋肉は縦方向に引っ張られて伸ばされた状態になります。筋肉は引っ張られると縮もうとする性質があります。
これを伸長性収縮と言いますが、結果的に「体が伸ばされる事で支える」という状態になります。 筋肉は自分の意志では縮めることしかできませんが、できるだけ無駄な力を抜いてバランスだけで立とうとすると、筋肉が重力で勝手に引っ張られるときの伸長性収縮を利用して体を支えるので、この方がずっと楽に感じます。この時の「感覚」はストレッチで筋肉を伸ばしている時の感覚とは全く違います。まさに「ゆるんでいる」という言葉がピッタリくるような感覚なのです(というよりも、ゆるんでいると重力に従って適切な伸長性収縮が起きる、といった方が正しいでしょう)。
それと比べて自ら姿勢を正そうとすると、「正す」という言葉自体が自分でコントロールする行為を含んでいるので必ず短縮性収縮を使ってコントロールするのですが、それは結果的に「縮める」行為なので、どうにかしようと思っても結局どうにもできないまま関節の隙間が縮んでしまうのです。 そもそも生物が誕生する前から重力はあるのですから、生物が重力を前提として出来上がっていると考えるのは当たり前のことです。
ですから、ただ「立つ」ということについても自分の主体意識でコントロールするのではなく、 自分にかかっている重力を感知することで生まれてくる姿勢が良いのであって、「理想とされる姿勢」が先にあるわけではないのです。
「姿勢を正す」ことはマイナス面しかありません。
ホカホカ系
ホカホカ系も結局はゆるむことなのですが、要するに体を締め付けている状態からゆるんでフワフワの筋肉の状態になるので実際に血行が結構良くなることで、そう感じられるのだと思います。
はっきりした区別が日本語にあるわけではありませんが、「血行」ではなく、「血流」というと医学的には動脈や静脈といった血管の検査で測れる血液の流れの話です。MRA(磁気共鳴血管撮影法)や超音波検査で診断されるような血流ですね。医学ではそういう物理的に測定可能な現象が大事になるので、血流が良い悪いというと、静脈瘤や動脈瘤の有無、血液検査での動脈硬化指数などになります。
しかし血流というよりも血行という場合は医学での検査項目では測れない「体の感じ」の話です。
検査で血流に問題がないことが確認されても血行が悪い人はいくらでもいるわけです。
(ちなみに血流に問題がないことを確認することは非常に大事です。体を触ると冷えや体の拘縮具合により血行が悪いかどうかはある程度わかりますが、触っただけでは血流が悪いかどうかはわからない場合もあります。静脈瘤を放っておくと、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。)
筋肉は健康に伸び縮みすることで血液の循環を良くする働きがあるので、体がゆるむ、特に筋肉がゆるむことで毛細血管が開いて血行が良くなるのだと考えられます。
また、達人調整では実際にさわることのできない内臓のような体の深部にある組織もゆらされることでゆるんでしまいます。
内臓の意識がはっきりしている人はそう多くないと思いますが、自分を自分であると認識している意識である「主体意識」が内臓を感じられなくても、内臓も細胞でできている以上意識はありますから、内臓の状態が良くなった場合、何らかの良い感覚が生まれてくるわけです。それが何となく「ホンワカとする」感じであったり、言葉にはできない、とにかくひたすら「気持ちいい」感じであったりするのですね。
そういう感覚のうち、血行が改善される時に感じる感覚をより拾うことができた方は、ホカホカするという感想をお持ちになるのだと思います。
運動ヤバい系
運動ヤバい系は特に「関節脳」が改善された状態だと考えられます。
「関節脳」とは高岡先生の書籍「キレッキレ股関節でパフォーマンスは上がる!」で紹介された概念ですが、関節をコントロールする脳の機能もしくは、関節が理想的に使用されるような脳の状態、のことです。
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関節というものはもちろん意識的に動かすことができますが、実際には無意識的に動かしている時間が多いものです。
例えば「歩く」という行為をいちいち意識している人というのは「スーパーウォーク歩道」をはじめとするウォーキングメソッドに取り組んでいる人以外にはいないでしょう。
ですから、「関節脳」という能力は本来的には潜在的な意識にあって、能動的な意識でもアクセス可能なものと考えられますが、達人調整の場合はゆるトレやゆる体操のように自分で動くことはしませんので、改善されるのは潜在意識の方です。
なぜ達人調整で関節脳が改善されるのかをご説明しましょう。
先ほどの関節の隙間の話に関連しますが、基本的に関節は開いているのが本来の状態のわけです。
PCやスマートフォンの場合はその状態から自分好みにカスタマイズして行くのですが、人間の場合はこのカスタマイズが大抵の場合マイナスに働きます。
なぜならば意識して動かせる範囲の動きというのは関節の動きのほんの一部でしかないからです。
ですから、「こうだろう、この方が良いだろう」と思って色々動かしてみても、大抵の場合まちがった方向に行ってしまいます。
それよりも大事なことはゆるめることです。
関節というものはまわりの筋肉や靭帯がゆるんで良い状態になっていると、本来の力を発揮して自由に動くものなのです。
メッシや三笘選手のドリブルにしても、いちいち考えていて実戦であのように動いているわけではないのです。もちろん普段の基礎的な練習で徹底的に基礎を鍛えているからでこそのあのようなスーパープレイなのですが、それはいわゆる「具体力」の話です。
20世紀の日本人のサッカープレイヤーは「リフティングをやらせると上手いが試合では下手」と揶揄されていましたが、具体力を練習で身につけても試合で使うことができなければプレイヤーとして意味がありません。
徹底的に基礎をやって試合でそれが遺憾無く発揮されるには本質力が必要です。
「本質力」について知りたい方は・・・
つまり、本質力を発揮するにはできるだけ関節の状態をデフォルトに戻した方が良いのです。
それができている脳の状態が優れた「関節脳」というわけですね。
もうお分かりですね。達人調整で関節まわりの靭帯、筋肉などの軟部組織がゆるむと関節がデフォルトの状態に戻るので、自分でもびっくりするような「ヤバい」運動が生まれてくるわけですね。
「体スッキリ」系
これは体がゆるんで代謝が良くなり、疲労が取れた結果、脳が活動的になり、軸(=センター)をはじめとした身体意識の状態が改善されたのだと考えられます。
「ホカホカ」でも疲労は取れているのですが、「スッキリ」する感じというのはそれだけではなく、身体意識が高まっている状態ですよね。
この違いについて少し詳しくご説明してみます。
例えば調整が終わって、パッと起きられないような状態になったとします。
この状態は、たまっていた疲労が取れて楽にはなっているのですが、元々よほど疲労がたまっていたので、脳がすぐ動ける状態になっていないと考えられます。
「ホカホカ」の場合はすぐに起きられないという感じではありませんが、どちらかというとその状態に浸っていたいという感じでしょうか?
それに対して「スッキリ」は体がゆるんで身体意識が良いものになっているので、むしろ動きたくなるような状態ですね。
体の疲労に加えて脳疲労までしっかり取れるとこのような状態になります。
当然関節脳も活発になりますが、具体的にスポーツ等で体の動きを意識していない人は何となく「スッキリした〜」という感じになりやすいのかな?と思っています。
まとめ
そろそろ話をまとめたいと思います。
このように達人調整を受けていただいた時の感想というのは色々ありますが、全てに共通していることは、達人調整を受けた結果体がゆるんだ、ということでしょう。ゆるんだ結果として、どこをご自分が強く感じられるかによって、微妙に感想も違ってくるのだと思います。
もちろんここで挙げた以外にもお客様にとってさまざまな感想はありますし、このうちのどれか、というわけではなく、実際は色々な感じが混ざり合っての感想になるわけですが、どちらにせよ、良い感想をいただくということはそれだけ体の状態が改善されたということでしょう。それは自分にとっても大変嬉しいことです。
もうひとついいますと、上にあげたご感想はそのままゆる体操をされた時の感想でもあります。が、自分で意識できないところがゆるんだ時の感動はやはり達人調整を受けた時の醍醐味でしょう。
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