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「普通のマッサージ」よりも達人調整・ゆる体操がゆるむのには訳がある

みなさんこんにちは。ゆる体操やっていますか?

さて、前回はなぜ体は固まるのか?というテーマでお話しさせていただきました。

その中で「普通のマッサージよりゆる体操や達人調整の方がはるかにゆるむ」という話題がでましたが、その理由についてはまたの機会という事でしたよね。

今日はなぜ体操・達人調整の方が普通のマッサージより体がゆるむのか?というお話をしたいと思います。

筋肉には強い衝撃から体を守る役目がある

まずマッサージというと現在は色々なチェーン店もできて、都会やその近郊の駅前などには必ず一つは店舗があるかな?という時代です。

それだけ現代人は体がこっているという事なんでしょうね。

さて、そもそもマッサージとは「筋肉に圧をかけて体をほぐす」という方法、と言っていいと思うのですが、この圧をかけるというのが実は曲者なのです。

なぜかというと人間の外部の筋肉(いわゆるアウターマッスル)は外からの衝撃から身を守るという役目があるからです。

ですので、基本的な役目として、外から強い刺激が加わると筋肉は体を守ろうとして収縮しようとします。

となるとどうなるでしょうか?

例えば疲労している部分をゴリゴリ指圧をかけるような状況を想像してみましょう。

疲労している部分は必ず固まっています。そこにさらに強い刺激をかけると、その部位の筋肉は

「大変だ!体を守らなければ!」

と思って、さらに収縮しようとします。

それでなくても固まって伸び縮みしないのに、頑張ってさらに固めようとするのです。

ですので、結局のところそこは固まってしまうのです。

人によっては「痛い方が効く」と思って我慢している場合もありますが、そんなのはもってのほかです。
そもそも「痛み」と言うものは典型的な緊張性意識集中にあたり、痛みを感じている状態でゆるんでいられる人などこの世にはいません。

ですので自分では気持ちいいと感じられても、結局は後で固まってしまうことが多いです。

この「痛い方が効く」というのは本当に曲者で、そういうふうに思い込むと、痛いことが気持ちいいと感じてしまっている場合も少なくありません。

そうなると、そもそもゆるませる、ゆるむという感覚を拒否してしまうので、達人調整のような術技では

「こんな優しい術技では満足できない」

となって、むしろゆるむことに不満を感じる人すらおられます。最近は減ってきましたが、以前はこのような方は割とおられました。

徹底的にゴリゴリやってもらってなんぼ(笑)

という人は、そもそもそういう術技に対してお金を払っていて、ある意味ゆるむことが目的ではないので不満を感じるのでしょうね。

このように「こっているから強く刺激をする」という発想では相手をゆるませることはできません。

さて、これが「普通のマッサージ」の方法なのですが、当然世の中には良い意味で「普通でない」治療師さんたちも多くおられます。

そういう方たちは当然上の事実に気づいて、相手が固まらないような工夫を独自にされているということなのでしょう。

こと、「体をゆるませる」ということが目的ならば相手を少しでも痛がらせたり、緊張させたりすることは厳禁とも言えます。

例えば、指圧一つとってみても、本当に上手な治療師たちは、固まっている部位に対しても相手が固まらないように、そして奥の方まで良い(ゆるむような)刺激が届くようにするものです。

そのように考えると「もみおこし」という現象は、はっきり言って技術のない治療師達の施術の結果としてしかあり得ないものです。

私は10代の頃から体のコリがひどくて時々指圧に行っていましたが、

「明日ぐらいもみおこしがくるかもしれませんから薬局で痛み止めを買っておいてもいいと思いますよ。」

と言われたことがあります。さすがに令和の時代にそのような方針の治療師はいないと思いますが、その時はそれが効いていると思っていました。

このように、普通の意味での指圧やマッサージは

相手の体を良い(ゆるんでいる)状態にする

ということに対して単純な発想(揉めば良くなる等)しかないので、このようなことになってしまうのですね。

ちなみに私は自分の首筋がこっている時に、あえてゴリゴリ系のマッサージを自分でやってみた時があります。
その時は結構こっていたので、ゴリゴリやってみると正直気持ち良い感じがしたのですが、その後何週間も首の拘縮に悩まされました。
ゆる体操を普段からやっていない、体がガチガチのタイプの人はこういったことに気づかないかもしれませんが、ゆる体操をやっていると気づいてしまうのですね。
結局のところ、ゴリゴリになるまで固まると、脳がより強い刺激を求めてゴリゴリされることを気持ちよく感じるようになるので、ゴリゴリしてもらった結果、さらにガチガチになり、よりゴリゴリして欲しくなる・・・という悪循環にはまることになります。

ただ、はっきり言っておきますが、私は達人調整だけが体をゆるませることのできる調整法だと言っている訳ではなく、世の中には素晴らしい発想・思想で作られた身体の調整方法はあります。

治療師にしてもどのような思想に基づいて術技が作られているかによって、見かけは普通の整体やマッサージと似たような事をしていたとしても、その内容は大きく異なるのです。

では達人調整はどうでしょうか?

達人調整は普通のマッサージとは基本が異なる

まず、達人調整はそのような身体の反応が出ないような術技の体系になっています。

ですから押したり揉んだりすることは基本的にありません。相手が固まるリスクが高いからです。

基本的にさすったりゆらしたりすることがメインになっているのです。

そしてそのさすったり、ゆらしたりする時も自分の体がゆれるようにやることが多いです。

そうですね。達人調整は相手の体をゆるませるだけでなく、自分の体をゆるませるように出来ている体系なのです。

それも肋骨を使ったり、背骨を使ったり、普通はゆれないようなところを使ったりします。

そういうふうにすることでより深く自分の体をゆるませようとするのです。

この、「自分の体をゆるませる」という部分にどれだけの意味があるのでしょうか?

まず第一に言えることは、達人調整は直接相手の体に触れる訳ですから、ダイレクトに調整師の身体の状態が伝わります。ですので自分がまずゆるまないとどうしようもないのです。

その時に背骨や肋骨と、それにつながっている筋肉を使うようにすると、そうでない体の使い方に比べて相手が緊張しにくいという特徴があります。

少しこのことを説明しましょう。

例えば優しく相手をさすってあげるとします。

この時、手をやわらかく使うことは大変重要です。相手に接しているところですからね。

そしてこの時に肋骨を駆動して、円や楕円形を描くようにさすると、動きの角が取れてより滑らかに手が動くようになりますし、相手の体の凹凸なども自然に吸収して手が動くようになります。なぜならばそれだけ使う関節の数が多くなるからです。

手だけでは吸収しきれない凹凸も肋骨の関節が吸収してくれるようになり、より相手の状態も分かりやすくなりますし、受け手側も手が優しく密着するような感じになるので、安心感が増し、よりリラックスできるようになります。

「より深い体の使い方をすると、相手もよりゆるむ」これが達人調整の基本的なテーゼの一つです。

むしろ相手をゆるませてあげようと思うと、それに対する気負いが生まれ、結果的に自分がゆるめないことで相手もゆるまないということになりかねません。

加えて、達人調整に限りませんが、マッサージや整体、鍼灸治療など広い意味で「相手の体を調整する方法」というのは、当然のことながら人間対人間のことですので、お互いの信頼関係というものが大変大事になってきます。

例えば先ほどの例のように「ゴリゴリやってもらってなんぼ」を期待している人が間違って(?)達人調整を受けてもおそらく効果は半減してしまうかもしれません。

ですので、(当たり前のことですが)達人調整を受けたいという方のほうがより効果があるでしょう。

逆にそうでない方の場合は最初の問診の段階で、簡単な説明をしながら施術していくことになります。

このように達人調整を行なっている場にはお互いの信頼関係で成り立っている部分がある程度前提になっているのです。それは一種のゆるむための「空間」を形成しているといっても良いでしょう。
「空間」と書くと何やら特殊なことのように感じられますが、例えば仕事中に隣の人が何度もあくびをしているとこちらも眠くなってきてあくびをすると言うことがありますよね。
あれは隣の人の眠いと言う意識がこちらに伝わって、同じ意識を共有した「空間」ができてしまっているからです。
このように複数の人間が同じ意識を共有することは別に特殊なことではありません。

さて、この「施術の空間」ですが、当然のことながらお互いゆるもうという気持ちがある方が、そして実際にゆるんでいる人がいる方が、より良い空間の状態になります。

ですから、「自分の体をゆるませる」ことができる術技でないと、やっている間に自分が固まってしまって、その空間の状態が悪くなるのです。

逆にゴリゴリ強く押したり揉んだりする行為がメインになっている術技では、自分がゆるむという発想はありませんし、施術空間をゆるむようにコントロールするという発想はまずありませんから、結局それでゆるむことはないと言っていいでしょう。

もちろんお金を払って達人調整を受ける場合は、その空間を良いものにする責任は達人調整師にある訳ですが。

ゆる体操も達人調整も基本は同じ

ではゆる体操はどうかというと、基本的に体をしめつけたり緊張させるような動作はありません。
達人調整もゆる体操も同じです。ゆらしたり、さすったりする「擦動緩解運動」「揺動緩解運動」が基本となっています。
ですから下手なマッサージで体が固まってしまうよりは、自分でゆる体操をしたほうがはるかに体はゆるむのです。

また、実はゆる体操の指導でも、達人調整と同じような「ゆるむ空間」の状態があって、そういった良い空間を作れる人が良いゆる体操指導員という訳です。

むしろ「ゆるむ空間」の効果はゆる体操の指導のほうがより顕著に現れると言えるでしょう。

ですから、単純にゆる体操がうまいだけでは実は良い指導員とは言えません。

ちなみに当サイトのインストラクターである中田ひろこは現在ゆる体操指導員では最高位の「ゆる体操正指導員上級デモンストレーター」ですし、ゆるウォークやゆる筋トレでの指導資格である「ゆるケアサイズ指導員」でも最高位です。

このレベルでは、体操一つ一つの上手い下手だけでなく、指導の上手い下手まで全て開発者である高岡先生が審査しますので、どういう相手に対してどういう「空間」を作るかというのも指導員の腕の見せ所になる訳ですね。

この空間は機械で測定できるようなものでは当然ありません。またあくまで潜在的に効いてくるものです。ですから最初はその効果がなかなかわからないものですが、

「なんか自分1人で体操しているより、動画や教室で先生と一緒にやったほうがゆるむ」

という方は、その「ゆるむ空間」の効果が加わっていると思っていただいて結構です。

このように達人調整もゆる体操もその基本的な技術体系において、体の動かし方といった具体的な方法から対人関係の空間を作る作業も含めて、一つの体系となっているのです。
ただしそれは具体的な方法として学ぶものではなく、基本に忠実に行うことで、潜在的に身につくものとして体系化されています。

では今回の話題をまとめておきましょう

まとめ

  • 単純に力で押したり揉んだりする行為は筋肉を固めてしまうリスクが高い
  • 達人調整は施術者がより深くから体をゆるめることでより受け手がゆるむようになっている
  • 調整師やゆる体操指導員は自分がゆるむことでその場の空間を良いものにする

いかがでしょうか?
みなさんもゆる体操や達人調整で体を深くゆるめ、実りのある人生を送っていただけたらと思います。

ゆるポータル神戸では主に土日に達人調整を受け付けています。

また調整師の中田了平は普段は整形外科に勤めていますので、医学的な対処が必要な場合はそのアドバイスならすることもできます(ドクターではないので医学的な治療はできませんが)。

初めてという方は30分コースもおすすめですよ。

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