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達人調整は体の癖を取り去ってくれる

みなさんこんにちは。
ゆるポータル神戸の達人調整師、中田了平です。

さて、誰にでも癖ってありますよね。スポーツなどでは「つい肩に力が入ってしまう」など、日常色々な癖になやまされている方も多いと思います。
この癖というのはそれこそ癖者(曲者)で、一旦ついてしまうとなかなか取れません。
また、スポーツに限らず、人には色々な癖がありますが、放置しておくと必ず体の不調につながっていきます。
いくらやってもどうしても癖が取れないと言うときは、ぜひ達人調整を受けることをお勧めいたします。

達人調整はゆる体操を開発した高岡英夫先生によって考案された体をゆるめるためのメソッドです。

達人調整の一番の特徴はゆる体操とは違って人の助けを借りてゆるめてもらえるということですね。

これまでゆるポータル神戸では達人調整について様々な角度からご説明してきましたが、達人調整の最も大きな利点は

自分ではゆるませられない箇所もゆるむようになる

ということでしょう。
そして、自分でゆるませられない部分がゆるんでくると自然と体の癖も取れてくるのです。

今回は体の癖と、そしてそれを取り去る事ができる達人調整という術技について説明できればと思います

まず前提として体がゆるむとどうなるのかということについては以下の記事をご覧ください。

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1.体の癖とは?

人間には皆、体の癖というものがあります。そしてその癖というものは中々自分では取れません。

そう聞いて

「ゆる体操がまさにその癖を取り去ってくれるものなのでは?」

と思われた方も多いと思います。

確かにその通りです。ゆる体操は体の癖を取り去ってくれます。しかし、本当の意味で癖が取れるようになるには、実はある程度の認識力とそれに伴うトレーニングの積み重ねが必要なのです。

ゆる体操をすると体がゆるんで体調も良くなり、パフォーマンスも上がります。しかしほとんどの場合、実は最初の段階でゆるんでくるところは、ある程度最初から自分で動かせる箇所に限られます。

結論から言うと癖というものの正体は実は体が拘縮していることが原因になっている場合がほとんどです。

拘縮という言葉は運動科学での専門用語ですが、普通の言葉で言うと要するに固まっているということです。

これはスポーツでのフォーム練習で考えると非常にわかりやすいと思います。

例えば何をするにも肩が力んで上がってしまう人の場合、何もしていなくても肩まわりの、特に僧帽筋がこわばって固まっているのです。ですから、肩が上がってしまうのです。
(但し、ある部分が動きすぎる事で起こる癖もありますが、それにしても別の部位が固まっていることによりおこるので、結局のところ癖は体の拘縮が原因と言っていいでしょう。)

そして、こういう癖は他人から指摘してもらわないと普通は気づきません。

そしてフォームの癖に限らず、人間のあらゆる癖はそれに対応する部位が拘縮していることと関係しています。

ですので癖を治すには体の拘縮を取る(=体をゆるめる)事が先決ですが、実は固まっている箇所はいくらゆるめようとしても自分では中々動かせないのでゆるまないのです。

2.癖は自分ではなかなか取れない

では、先ほどのスポーツのフォーム練習の話のように、ゆる体操でも先生が指摘してくれれば良いのでは?と思われた方もおられるでしょう。

しかし、ここでもう一つ難しい問題があります。

人間はある場所が固まっていると言われて、そこを動かそうとすると精神的な緊張が生まれるという性質があります(緊張が生まれてしまうような意識の集中の仕方を緊張性意識集中と言います)。ですので、どこかに意識を集中させると、もうゆるまなくなるのです。

ですからゆる体操初級では細かいことを指摘したりはしません。始めの間は指摘することによって改善できることよりもそれによって固まってしまうリスクの方が大きいからです。誰でも自分の欠点や癖を指摘されて嬉しい人はいませんからね(笑)
ゆる体操初級はその場の雰囲気の中で、よりゆるむことを目指しているのです。

ですので、癖をとっていくような作業は中級以上ということになりますが、それでも、ゆるんでいないところは動かせない、動かせないところはゆるまない、というジレンマはどこまでも続くのです。
しかもさきほどのべたように、動かせるところが動きすぎてそれが癖になっている場合もあるので、実際はかなり複雑です。

ゆる体操で、体をゆるめて癖をとることはもちろん可能なのですが、長年の間動かせなくなってしまっているところは、そもそもその部位を意識することすら出来なくなっています。

こうなってしまうとただ気分よくゆる体操をやっているだけでは簡単には癖は取れないのです。

そういう時こそ達人調整の出番です。

3.達人調整ならゆすれないところもゆるむ

達人調整は自分では触れないところやゆすれないところも調整師の術技でゆるめてくれます。仮に自分が意識すらできないところでも、さすったりゆらしたりしてもらうとだんだんと意識できるようになります。

また、ゆすりゆらしてもらうことで実際にその部位がゆるむと、その部位からの情報が脳へより上がるようになり、より意識できるようになります。

一度意識できるようになると、自分でゆらし、ゆるめることがだんだんとできるようになります。

ひどく固まっているところは日常生活で使わなくなっているところなので、使わない時間が多いとまた固まって意識できなくなってしまうものですが、それでも達人調整を何度か受けて、普段からゆる体操で動かすようにすると、日常の何気ない動作でもそこが段々と反応するようになってくるので、そうなるとその部位も自然とゆるんでくるようになるのです。

そうやって色々なところが動くようになってくると、自分の癖の原因がわかるようになり、改善する方法も自ずから分かるようになります。

4.達人調整師は自分がゆるむように意識している

達人調整で癖は取れます。しかし達人調整師が受け手がゆるんで癖が取れるように色々な努力をしているのかというと、実はそうでもありません。

どちらかというと受け手の体よりも自分の軸(=センター)や、地球の重心が身体意識化された「地芯」という身体意識を感じるように心がけています。
もし施し手である調整師の体が固く、変な癖のあるような状態だと受け手はその程度にしかゆるむことはできません。それどころか調整師の癖が相手に移ってしまうかもしれません。
例えば施し手の肋骨が硬い場合、当然のことながら受け手の肋骨の状態がわかるとは思えないので、そう言う人が調整をやったとしても相手の肋骨はゆるむ感じはしませんよね。
結局のところ、調整師に癖があると相手にそれが移ってしまうので、調整師は出来るだけゆるんでおかしな癖が出ないようにすることが大前提となっています。

かといって調整師は自分の体の癖を直そう直そうとしているのでもありません。そういった外側からどうにかしようという努力は必ず失敗します。ではどうすればよいのかというと、自分の軸や地球の中心を感じるようにして、結果自分の意識が深くなると、自分のゆるみも当然深くなります。これがうまくできればできるほど受け手は潜在意識下までゆるむようになってきます。

潜在意識下までゆるむというと不思議に感じられるかもしれませんが、人間の体は自分が認識できる部分だけで機能しているわけではありません。ですので達人調整を受けた後に自分が思っている以上にゆるんでいると言うことはよくあることです。逆に達人調整をした後、こちらから見れば明らかにやる前よりゆるんでいるのに、ご自分ではそれほどと思っておられない事も時々あります。

これは体がひどく固まっているために、自分の状態を認識する能力が落ちているためと考えられます。脳の認識する機能が低下しているのですね。

でも、実際には物理的にゆらされることで、程度の差はあれ施術前よりはゆるみますから、潜在意識下ではそれを認識しているのですね。

ですので、自分では

「そんなにゆるんでいるのかな?」

と思っている方でも、達人調整後にゆる体操や普段よくする動きをやってもらうと「ああ、なるほど〜」となって自分が施術前よりゆるんでいることに気付いたりするものです。

こういう場合何度か達人調整を受けていると自分の体を認識する能力も上がり、自然にその効果を感じられるようになってきます。

そういう意味では達人調整は一方的に施術する側の技術が問われるものではなく、施術される側の認識能力が上がるとより効くようになります。これは施術する側とされる側の共同作業とも言えますよね。

5.達人調整の本来の姿とは

共同作業という言葉が出ました。

実は達人調整は本来的には共同作業そのものです。

達人調整は、本来はお互いに施し合う事が前提となっています。
つまり施す側と受ける側を入れ替えて行うものなのです。
その時施す側は、一切相手のことを考えないのが決まりとなっています。

ですから「ここをもっとやって欲しい」とか、そういう受ける側の要求は施す側に期待するのではなく、受ける側が要求するものなのです。

マッサージ等で、

「正直なところもっとここをやって欲しいんだけどな〜」

という経験をお持ちの方はおられるでしょうけど、本来の達人調整では受ける側がそれを要求して良いことになっています。ですから受ける側は要求を出すことに対して気を使わなくて良いので気持ちが楽ですよね。

ちなみに達人調整を有料で施すことの出来る人は運動科学総合研究所から発行している達人調整師の資格を持っている者だけです。この資格は高岡英夫先生ご自身で審査をし、認定が下ります(その審査は毎年行われるものですが、コロナ禍のため現在は休止となっています)。

このように達人調整師はある程度トレーニングを積んでいることが前提になっていますので、受ける側より施す側の方が遥かにゆるんでいる場合は、施す側の方が受ける側の体をわかっている場合も多いですから、お金を払って達人調整をする場合は調整師に任せてくれても良いと思います。

ただし達人調整師が普通の意味であなたのことを「診て」くれていると思ったらそれは違うのかもしれません。

なぜならば施す側が自分がどこまでも深くゆるむ事ができれば、その身体の状態は相手に伝わり、相手が(いわば勝手に)ゆるんでくれるからです。
人間の体は、「ゆらすとゆれて、ゆれるとゆるむ」というシステムがありますので、受ける側の方もただ気持ちよくゆれる事ができれば、自然とゆるんで来ます。そう考えると、体の癖は人それぞれとはいえ、それを解体する能力もその人にそもそも備わっていると言えるのかもしれませんね。

あくまで達人調整はそのお手伝いをするものといえるのでしょう。

6.癖を取り去ることで人生が豊かになる

上達を目指す人は達人調整を定期的にうけながらトレーニングするのが良いと思いますが、特に「上達」ということに興味がなくても一度達人調整を受けてみることをお勧めします。

なぜなら人は誰でも癖をもっているものですし、その癖は体が固まっていることでできるわけです。現代人の体は自分が気づかないところで信じられないほど固まっているので、それがある程度でもとれた状態を経験することは、誰にとっても有益なだけでなく感動的なことだからです。

体の拘縮はコリや痛み等の不快感につながるものです。結局のところ癖の強い人は体中がコっていると言えます。

体の癖を取ることは結果として痛みやコリを取り去ることになるので、それは自分の体をいたわることに他なりません。
私は整形外科に勤務していますが、そこで調整やゆる体操を指導するときいつも思うことは、体の不調を訴えている方々は皆、それに対応した癖を持っていると言う事です。ですから、長い間ご自分が気づかないうちにある意味癖を育ててしまって、気が付いたら筋肉や関節、さらには内臓に疲労が溜まり、それが色々な痛みや不調になっているという事です

しかし、痛みにせよ、コリにせよ、気づいた時点で改善すれば良いのです。何歳でも構いません。自分の体が固まっていると気づいた時点でそれを改善すれば良いのです。

以前高岡先生は「からだには希望がある」という本を出版されましたが、誰しも構造としては同じ体を持っているのですから、体の癖を取り去り、身体資源を生かしきる事こそが「希望」なのであって、それこそが人間にとっての本質的な幸せであると私は思います。

からだには希望がある

※リンクを押すとアマゾンの該当ページに移動します

そういう意味でも達人調整で皆様の幸せのお手伝いができればと切に願っています。

高岡先生が達人調整について書かれた文章があります。まだご覧になっていない方は一度読んでみてはいかがでしょうか?

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