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リハビリちょこっと話 ②肩こり首こり
私は整形外科でリハビリをしています。
リハビリといっても怪我の回復期のリハビリをすることは少なく、やっている事はゆる体操や達人調整を利用した身体のお手入れの仕方、といった感じでしょうか。
肩こりや首こりといった症状の相談ももちろんよく受けます。こういう相談はどちらかと言えば整体や治療院で受けるような相談ですよね。
医学は基本的に人間の身体を「動体」として見ません。診断はほとんどの場合動画ではなく静止画を基準にしてつけられます。
ですから首や肩が凝っている、といって首の写真を撮って特に医学的に問題になるような所見、例えば、椎間や神経孔の狭小、骨棘、石灰沈着等がなければ(実はあってもそれが症状に直接影響を及ぼしていなければ)、
「ただの肩凝りですよ」
という事で湿布や飲み薬を渡されて終了という事が多いのです。
さてしかし、人間は動物と言われるぐらいですから、動いてなんぼのものです。動いてこそ代謝が保たれ健康を維持できるようになっています。
もちろん医学でもそういう認識はあるので運動をしてくださいね、という事なのですが、どういう運動がよいか、ということに関しては医学より運動科学の方が優れていると私は思います。
私の勤めているクリニックの院長はそこも大変重要な事と考えていますので、早急に医学的な治療が必要でない(通常であれば湿布と飲み薬を渡しておわり、のような)患者さんに対してはリハビリでの運動を勧めるので、結果的に私もそういう方々を診る事が多いのですね。
というよりも私が担当するのはほとんどの場合そういう方々です。
怪我の回復期のリハビリなどはゆる体操も応用できますが、むしろそういった治療を専門にしている理学療法の知識と資格が大事でしょう。
さて、本題の肩こり首こりですが、これは「リハビリちょこっと話①猫背」でお話しした事とほぼ同じ原因です。
要するに首を支える、ということに関して正しいポジションが取れていないことからおこります。
猫背の人が首肩が凝らないということはあり得ません。自分は凝っていないという方でも単に自覚症状がないだけで、本当は凝っています。例えば自分の幼児時代と比べると確実に凝っているのです。
しかし肩こりや首こりは猫背に比べて改善は見込みやすいです。
というのも肩と首は動かすことが出来るからです。
動かせる場合はなんとかなります。ただし動きにくくなっているところはありますので、こちらとしてはそこをちゃんと指摘してあげて、そこが動くようになる体操とそのコツを教えてあげるという流れになります。
猫背もまずは首こり肩こりをとってから、本当に直す気がある方は肋骨や背骨の凝りを自覚していただいて、それを改善していけば良いのですが、肋骨や背骨となると、もうすぐに挫折してしまう方が本当に多いですね。
「背骨や肋骨を動かす」、そういう目的をもって数年でもやれば段々と動くようになってくるのですから、その後の人生の質が圧倒的に変わります。
だから普段から肩が凝らないように肩ユッタリ回し体操や背中モゾモゾ体操を若いうちからやっておいた方がいいんだと思います。
でもね、本当は自分が不快と思わないと余程の事がない限り健康体操なんかしないので、私のように
「究極の身体⁉︎なんだそれ!やべぇ!」
なーんて思って20数年運動科学に取り組む人間なんぞは少数派である事に最近気づきました(爆)
一般の方はこのままじゃ老後がダメだな、とか具体的に何かの症状に困った時が身体の手入れをする時なんだと思います。
そういう時にゆる体操と出会えたら良いし、そういう時にゆる体操を選んでいただけるように、私も妻もこうやってゆる体操を広める活動をしているのです。