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リハビリちょこっと話 ⑥膝が悪い方へ
私は整形外科でリハビリをしています。
リハビリといっても怪我の回復期のリハビリをすることは少なく、やっている事はゆる体操や達人調整を利用した身体のお手入れの仕方、といった感じでしょうか。
中高年の方で膝を痛めてリハビリに来られる方は大変多いです。骨格の関係上女性のほうが膝は痛めやすいのでどちらかと言えば女性をご指導する事がおおいかもしれません。
なぜ膝を痛めるのかという事ですが、ご本人は
「膝は階段とかで体重がかかるから・・・」
と何となく思っておられる感じですが、体重がかかるというのなら、足や足関節のほうが膝より下にあるのですから、より痛めやすいはずですよね。
もちろん足や足関節も無茶をすれば痛めますが、その二箇所より膝の痛みを訴える方の方が圧倒的に多いと思います。
さて、なぜ膝を痛めるのかというと、基本的には膝を捻って使ってしまうからですね。
ねじりの動きに対応するのは膝でなく股関節や足首です。膝は前後方向にしか曲がらないので、股関節が固くなって捻りの動きが膝に伝わると、膝はその分すり減ってしまいます。
先ほど女性の方が膝を痛めやすいと言ったのは、女性のほうが骨盤の幅が広いので脚を閉じた時に膝に角度がつきやすいからです。
さらに日本人はO脚やガニ股が多く、外側が開いてしまっているので狭くなるのは内側で、膝関節の内側をすり減らしていくパターンが多いですね。
ということで、関節の摩耗を止めようと思えば、膝をゆるめることももちろん大事ですが、股関節と足首をゆるめることが大変大事になります。
ということで私はリハビリでの体操指導は座位での腿ユッタリ、踵クル、脚スリを教えています。
あとは立っている時に出来る体操として腰横スリなどですね。立位での踵クルはバランスを取るのが難しく感じられる方が多いので、出来るのならば、ということで指導することが多いでしょうか。
実際にリハビリでは、最初に一見簡単そうな腿ユッタリをやって、自分の股関節の状態を知ってもらいます。
膝が痛いからリハビリに来たのに腿ユッタリをやると、全然ユッタリ出来ない自分がいる、という事でびっくりされます。
その後に踵クルをします。
これまた全然クルクル出来ないという事実に驚かれるのですが、どちらの体操にせよ、一見簡単そうな体操が全然ちゃんと出来ないという事で、そんな状態で歩けば早晩膝を痛めるのはある意味当たり前とも言えますね。
こういう感じでそもそも立って歩く事自体がもうちゃんと出来ていない、と言う事実を知っていただくのです。
で、踵クルを丁寧にやってもらうと、あら不思議(笑)最初にちゃんと出来なかった腿ユッタリが少しユッタリユッタリとできるようになるんですね。
そしてここで腿ユッタリをよりリードに沿って丁寧にやってもらうと、あら不思議(笑)踵クルもやりやすくなるのです。
この様にちゃんとやれば脚の動きは良くなって、膝を守れるんですよ、ということをわかっていただいた上で、最後に脚スリを丁寧にやってみる。
そしたらさすっただけで腿ユッタリも踵クルも上手にできる様になってしまうという事実にみなさん驚かれます。
最初に一番簡単なさすり系の体操をしても良いのですが、さするだけで効果がある、という事にみなさん気づいていただけなかったりするんですね。
さすりは一番簡単ですから
「なんかよくわからないけど、さすっておけばよいのか!」
みたいな結論になる方もおられるので・・・。
ということで色々試した結果、最近はこの順番がベストかな?と思ってやっています。
リハビリにこられた時点での膝の状態にもよりますが、もちろんちゃんとやっている人は必ず改善効果が見られます。
膝に不安がある方は股関節の体操を!という話でした。
ご自宅でゆる体操を学びたい方へ(毎月5日配信)