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スーパーウォーク歩道とは

スーパーウォーク歩道コラム

スーパーウォーク歩道は、歩きながら行なうトレーニングの体系です。歩きそのものが快適になり、姿勢がたいへん良くなります。美脚効果もあります。日常の歩き(自宅から最寄りの駅までなど)の中でトレーニングができますので、忙しい人にもぴったりです。

1.歩くことについては誰もが専門家

皆さんは、日頃、どれくらい歩いていますか?5千歩くらいですか、それとも8千歩くらいでしょうか。ウォーキングは有酸素運動なので、20~30分程度継続すれば脂肪燃焼効果がありますし、膝や股関節にも比較的穏やかな運動ですから、出来るだけ歩数を多くするように心がけている人が最近は多いですね。そして何よりも気軽に戸外でできるゼロコストの運動なのが良いですね。ウォーキングを日課にしていて、一日の合計が1万歩以上という人も結構いるのではないでしょうか。
体が健康な人なら誰でも、例えほとんど外出しない人でも毎日3千歩程度は歩いているのだそうです。私たちは歩くことについては幼児だった時からずっと毎日やっているので、全員が、たとえ意識することがなくても実は立派な「歩きの専門家」です。考えても見てください。例えば〇〇の動作(〇〇にはテニスの素振り、空手の突き蹴り等、お好きな動作を入れてください)を毎日最低3千回必ずしている人が、どれだけいるでしょうか。そうそう居ないですよね。それにひきかえ、歩くこととなると誰でも3千回以上やっているのです。そうです、私たちは誰でも、歩きに関しては専門家なのです。
では皆さんはどのように歩いておられますか?この「どのように」という質問になると、「普通に腕を大きく振って元気よく歩くように心がけています」というような答が返ってくることが多いものです。健康な限り人は誰でも基本的に不自由なく歩いているので、「自分はちゃんと歩けている」という認識が一般的です。
その一方でもっと専門的な知識と方法に基づいて歩きに取り組んでいる人たちもいて、肘の角度は何度、歩幅は何センチ、体幹はこのように使う等、歩く方法については実に様々なスタイルやメソッドが存在していることは皆さんもよくご存知の通りです。

2.ゆるめることが大前提

このような歩数を稼ぐウォーキングや、様々な他のウォーキングメソッドと異なり、スーパーウォーク歩道では、まず全身を徹底的にゆるめることから始めます。ゆるポータル神戸でも、ゆる体操をウォーミングアップとして導入し、全身をゆるゆるにゆるめたところでその日の課題に入っていきます。
実は、スーパーウォーク歩道が発表されるずっと前に、『高岡英夫の歩き革命』(学研プラス、2004年)、『自然の力を呼び戻す 高岡英夫のゆるウォーク』 (学研プラス、2006年)という2冊の歩きについての本が出版されており、()どちらも各方面から関心を集め、現在も多くの読者がいます。皆さんの中にも「ゆるウォーク」という名前に聞き覚えのある人もいることでしょう。これらの2冊でも体をゆるめて歩くことの重要性が提唱されていました。
この「体をゆるめて歩く」ということだけでも、血行や代謝の改善、怪我の予防などの大きな効果が得られます。
当コラムの筆者自身、ゆるめることの大切さを知らなかった20年程前に、毎日約1時間半ウォーキングをしていた時期があります。最初は自己流でしたが、そのうちにアメリカで権威のあるウォーキングメソッドの本やビデオを取り寄せて、強度の高い歩きに取り組みました。最初の1年は、体重が減り、姿勢が改善し、気分が爽快になるなど良いことばかりだったものの、その後だんだん疲労がたまりやすくなり、片方の膝や股関節がつらくなってきて、ついにウォーキングそのものをやめてしまいました。体がウォーキングのために固まってしまったのですね。かつての私と同じように、歩数を多く、強度を上げながら、長時間歩く中で体調に不安を持つ人は、全身をよくゆるめることの必要性をぜひ知っていただきたいと思います。

高岡英夫の歩き革命
高岡英夫のゆるウォーク

3.歩きは全ての身体運動の基本

スーパーウォーク歩道は「歩きは全ての運動の基本であり、歩きが改善されれば、人のあらゆる運動がより快適なものになる」という考え方で創られています。つまり皆さんの歩く一歩、一歩がより良いものになれば、日常の他の動作も自然に良いものになってきます。人間は地球上の動物の中で唯一、直立二足歩行をします。そして人間の運動、たとえば走り、投げる、蹴るなどのスポーツの動作や、腕を振ったり体をターンさせる舞踊系の動作などは、実は歩きが基礎になっているのです。それを知っているスポーツ選手(現時点では世界のトップクラスに限られますが)は、日頃の歩きを良くすることで自分の専門分野の動きを良くする事に取り組んでいます。いつもの歩きがトレーニングになるのです。
誰でも毎日最低でも3千歩は歩いているのですから、その一歩一歩が良質のものになれば、一体どれほどの運動改善効果と健康増進効果が得られることでしょうか!こんなに美味しい話はないですよね。

4.スーパーウォーク歩道は軸(センター)を大切にする

ではどのようにスーパーウォーク歩道で一歩、一歩を良いものにしていくかですが、まず、軸(センター)を大切に考えてトレーニングします。これは世間の他のウォーキングメソッドとハッキリと一線を画する点であり、以前の「ゆるウォーク」から大きく発展した部分です。スーパーウォーク歩道では学習の初日の、最初の取り掛かりから、体の中に軸を作るトレーニングをし、その軸を使って歩く練習に入っていきます。そして歩きの合間に何度も繰り返し、軸を強化するトレーニングをします。
なぜそのように軸を大切にするのでしょうか?
体の中を上下に通る軸ができてくると、体の動きがその軸を中心にし始めます。バランスの良い、合理的な動きが自然にできるようになるのです。そして体の中から無駄な力みやガンバリが消え、癖のない快適な歩きが可能になります。
軸ができてくると、姿勢が素晴らしく改善されます。スーパーウォーク歩道に参加した人は講座を終了する一時間後には別人のようにスッキリと、軸の通った歩き方や立ち方ができるようになります。脚も脱力して、股関節から振れるようになるので、美脚になります。
しかも、スーパーウォーク歩道では、軸の様々な用法(ここで詳しく書けないのが残念ですが…)を学んでいきます。サッカー等、スポーツでの滑らかで俊敏な動きを養成するのにもおおいに役立ちます。

環境センター法:体の中に軸を作っていく
環境センター法:体の中に軸を作っていく

5.もちろん、もも裏を使って歩く

最近は、太ももの前側でなく裏側を使って歩くことを提唱するウォーキングメソッドがありますが、ゆるプラクティスでは「もも裏・もも前」という身体操法理論を21世紀の初めから提唱しており、もちろん、スーパーウォーク歩道でももも裏を使ってダイナミックに歩く方法をご指導します。
また、まだ一般にはあまり知られていませんが、本当に上手くもも裏を使って歩けるようになると、腰の力みが抜けてきて腰痛等が楽になります。股関節の上に無理なく体幹が乗るようになり、体幹全体も脱力します。必要以上の腰の反りがなくなり、全身に軸が通りやすくもなります。

6.筋力も発揮される

昨今、筋トレを家トレで行なっている人も多いと思われますが、通常の筋トレでなく、日頃の歩きをトレーニング化して日常生活に必要な筋肉を無理なく使っていくという、よりライトな方向性もあります。それはスーパーウォーク歩道で可能であり、大いにおすすめしたいところです。
スーパーウォーク歩道に取り組んでいただければ、腸腰筋、背骨周りの細かな筋肉や、肩まわりの筋肉など、インナーマッスル群が快適な中にも適度に鍛えられ、ある期間以上取り組むと明らかに体型が変わってきます。

軸、もも裏を使って歩く
軸、もも裏を使って歩く

7.スーパーウォーク歩道の取り組み方

スーパーウォーク歩道は定期的に講座を行なっていますのでできる限り毎回参加してください。指導を受け続けることによって正確な動きができるようになり、ご自分のちょっとした歩きの癖が取れていきます。軸(センター)がだんだんに形成され、いつも自然に良い姿勢で快適に美しく歩けるようになってきます。
通勤途上、ショッピングの行き帰りや散歩の折にできるトレーニングのコツをお教えしますから、普段の歩きにちょっとプラスしてみてください。ぐんと歩きの質が上がります。
また、自宅の小さなスペースを使ってできるウォーキングメソッドもご指導します。コロナ禍等の様々な理由で戸外に出られない時、ウォーキングができないと諦めてしまう必要はありません。たった畳一畳ほどのスペースがあれば家トレの一環でウォーキングに励み、体を健康に保つことができます。

どうぞ、スーパーウォーク歩道にご参加ください!

  • ※)ゆるウォークには、この他に、同時期に同じ出版社(学研プラス)から出版された『キレイに効く!ゆるウォーク』(2007年)『楽しくなるゆるウォークー DVD付き』(2008年)の2冊の本があるが、ここでは省略した。

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