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ゆる体操指導員の日常 中田ひろこ(3)
6月13日 木曜日
朝、別に寝坊したわけでもないのだが、時間が足りなくてバタバタしながら家を出て、なんとかいつもの列車に乗れた。
近鉄文化サロン阿倍野のゆる体操&ゆる筋トレ。先月から「壁前両プッシュ」を指導している。いつもならこの筋トレを教える時に一番神経を使う、手のつき方がけっこううまくいっているので嬉しい。他にも重要なポイントをしっかり伝えておいた。
昼食をいつものカフェで食べようと思って行ってみたら改装中で閉まっていたので、仕方なく向かいのバーガー屋さんに入った。チーズバーガー(280円)を注文しようとしたら、新商品らしい600円以上するチーズバーガーをすすめられた。「値段がだいぶ違うけど、どこが違うんですか?」と尋ねたら、そのスタッフはモゴモゴ言うだけで明確に答えられなかった。で、安いほうを頼んだ。そのまま、バーガー屋さんのテーブルでマックブックを開いて仕事を30分くらいかかって片付けた。腹巻き帽子の続きももちろん編んだ。
帰りに毛糸を買いに行こうと何度も衝動を感じたが、どうにか思いとどまった。私の部屋には向こう三年間連日編み続けてもまだ余るくらいの量の毛糸がすでにあるのだ。
夜はzoomでプライベートレッスン。
6月14日 金曜日
プライベートレッスンの急なキャンセルが入り、自由時間ができた。ちょっとゆったりとした気分。
高岡先生の動画でトレーニングする。やはり極意は面白い。20年前から極意をやっているが、もともと運動が苦手な自分は当初はそれはそれは惨めな出来だった。とくにジンブレイドには苦労した(今もだけど)。でも苦手だからこそ、ちゃんとやりたいという思いで続けて、いつの間にか少しは格好がつくようになってきた。好きで今よく自主練しているのはレーザー。知っている人は知っていることだが、極意を練習すると、ゆる体操の動きのキレが良くなる。
先日50年ぶりに行った生まれ故郷のことを思い出す。昔の賑わいは失せてがらんとした街並みに、やたらとでかいドン・キホーテと赤ちゃんホンポとニトリだけがあった。駅前の、私が中学生のころに時々行った美容院ももう無かった。あの頃、母親に学校の成績のことばかり言われていたのがストレスだったのか、私は夜になると髪の毛を狂ったように抜きまくっていて、後頭部は薄毛になってしまっていた。その美容院で「女の子がこんなことしたらダメよ!」と言われたっけ。
町は寂しくなってしまっていたけれど、川と空と、播州平野特有のぽこぽこした山々はそのままで、あのころと同じように私は空を見あげてゆったりと呼吸したのだった。行って、よかった。