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ゆる体操指導員の日常 中田ひろこ(57)
8月7日 水曜日
朝起きると、グラ〜と大きく頭が回るようなめまいを感じた。しばらく椅子に座っていたが30分経っても治らない。どうしよう。今日は月の中での最強日、つまり「怒涛の4レッスン」の第一水曜。最もしんどい日なのだ。これが会社員時代のように有給が使える立場だったら、ほんとに1日家で寝ていたいくらいの体調。しかし急遽休講なんてのは許されない。なぜなら振替日を設けるにしても空いているスタジオがほとんど無いし、仮に空いている日時があったとしても、私の都合がつくとは限らないからだ。しかも体調が悪くて休講だなんて、健康体操の先生としては最悪!生徒さんが何人もやめるだろう。収入が減る。吹けば飛ぶような泡沫零細事業主としては死活問題である。何としても休むわけにはいかない。しかし・・・ガラス戸から外を見ると8時時点で十分に暑そうじゃないか。今日最初の教室は、駅から会場までの街路樹も日陰もないアスファルトの道を15分程度歩かなくてはならないのだ。大丈夫か、自分!
仕方ない、いざとなったら駅からタクシーを使えばいい(ひょっとしたらあまりに近距離なので運転手さんにすごくイヤな顔をされるかも知れないけど)と考えた。
そして、こういう状況ではもう「ゆるみ」と「地芯、センター」しか頼るものはない。食べるものを食べ、飲むものを飲み、日除け帽子とUVアームカバーと冷房よけのジャケットのフル装備で家を出た。経口補水液も1リットル持った。今日は絶対に無理しないぞ、いつもよりもっとゆるむぞ、もっと地芯に乗るぞ、と自分に何度も言い聞かせながら。
そして、
朝の出発から10時間半後、無事に4レッスンを終えて、スカッと元気になって夜9時半に帰宅した。トトが「ポポピ」と迎えてくれた。
タクシーも使わずに済んだ。
一日を振り返ると、むしろいつもよりゆるんで良い指導ができたくらいだった。怪我の功名的な話だけど、ゆる体操とはそういう体操なんだよね。