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ゆる体操指導員の日常 中田ひろこ(101)
9月20日 金曜日
秋になると甘酒の季節になる。私はお酒はまったく飲まないけれど甘酒はだい好きだ。昭和30年代に子供だった頃、母の本家(大きな農家だった)の村の秋祭りに行くと、台所の隣の土間に成人の腰の高さくらいまである大きく深い甕(かめ)が据えてあり、その縁までなみなみと温かい甘酒が作ってあった。そばに湯呑みがいくつかとひしゃくが置いてあって、セルフで飲めるようにしてあった。母は8人きょうだいだったから、おじおば、いとこで総勢30人くらいのために大量に作ってあったわけだ。あの時の甘酒は今の市販のものなんかとはまったく違う独特の匂いがあったのを覚えている。甘酒だけではない。味噌部屋があり、庭には鶏小屋も牛小屋もあった。作業場の土間からはいつも湿った米わらの匂いが漂っていた。夕方になると本家のおばがお風呂を炊いてくれる。そのたきぎをくべる匂いもあった。食事どきの糠漬けの匂い、出汁をとるいりこの匂い、夜になって布団部屋を開けた時のちょっとカビ臭いウッと来る匂い。つまり家中に常に「田舎の家の匂い」がたちこめていた。都会の現代人ならそれら全ての匂いを「くさい」の一言で片付けるに違いない、そういう色々な匂いの思い出。
今日の教室。近鉄で事故があり大幅に遅刻。埋め合わせは後日することになった。近ごろ列車事故が多く時間通りに到着できないことが増えてきたので、きちんと対策を立てておかないといけない。