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ゆる体操指導員の日常 中田ひろこ(128)
10月17日 木曜日
高岡先生の本に『日本語のちから』というのがある。2004年に青春出版社から出た本で、「体を張る」「懐が深い」といった、古来の日本語表現に秘められた身体意識について語っていて、とても興味深い内容である。
最近、政治関連のニュース記事を見ていて、「この人は顔の皮膚が、やたらとぼってりしていて分厚いな」と感じる人が何人か居るのに気づいた。こんなこと言っては何だけれど、顔表面の角質が普通の人よりずっと厚く溜まっている感じ。皮膚に透明感がなく、しかもボコボコと凹凸があったりする。一度しっかりプロの手で角質ケアをしてもらっては?というような皮膚なのだ。
そこでハッと思い出したのが「面の皮が厚い」(面は「つら」と読む)という昔からの表現。岩波国語辞典によると「面の皮が厚い」とは、「厚かましい、ずうずうしい」という意味で使われる。今はもうあまり使われていない言葉なのかも知れないけど。
なるほど、私がニュースで見た顔の皮膚がぼってり厚い人たちは、そういう傾向が強いと批難されることが多い。自分の本来の職務を全然果たさずに平気な顔をしていたり、大きな表現で煽っておきながら状況が変わって責任を追及されるとスルッと逃げたり。
な〜るほど、そういうことか!
「面の皮が厚い」は高岡先生の本には載っていないが、悪い身体意識を表す言葉なんだな、と納得したという話。